ラ・プラタ大学出身の女性S.S.W.によるメランコリアを切り取ったようなインディー・ポップ

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    *土曜日は前夜HR三連発の興奮も冷めやらぬ早朝に飛び起き、自分の出演したラジオ番組を拝聴しました。聴きやすく編集していただいて、やはりラジオはナチュラルな時を共に過ごせるように"流れ"が大事なのだということを思いました。中学生の頃に受験勉強の傍らで聞いていたAM番組とか、よく考えればお喋りに耳を傾けつつ暗記を行うわけですから、他の作業の妨げにならず、かといって興味を惹かねばならない、さじ加減が難しいところなのではないでしょうか。というわけで、後編は次の日曜日に放送されます。

     

    [ラジオ放送のお知らせ]

    以下の番組に店主が出演、選曲しているほか大洋レコードの生い立ちや仕事についても語ります。ぜひ radiko.jpなどを活用し、聴いてみてください。

    2018年8月26日(日)

    午前4:30 ~ 5:00 TOKYO FM 80.0MHz

    「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ」

    出演:田中美登里  ゲスト:伊藤亮介

     

    *[新譜紹介]

    ラ・プラタ大学出身の女性S.S.W.によるメランコリアを切り取ったようなインディー・ポップ作品。川沿い音楽の面々、フアン・ペドロ・ドルセ(ビーチョ・フェオ・トリオ、カスターニャス・デ・カフー)がプロデュース、ヘアニンネ・マルティン(アイ・フアニータ)がゲスト・ヴォーカル、モノ・フォンタナが鍵盤で参加。

    EMILIA INCLÁN / LAS CANCIONES POSIBLES (アルゼンチン直輸入盤CD 2,259円+税)

    クリーン・トーンのテレキャスターをかき鳴らし紡ぐ、蒼々とした叙情風景。ブエノス・アイレス郊外のタンディルで生まれたエミリア・インクランは、アカ・セカ・トリオの面々をはじめ多くのコンテンポラリー・フォルクローレで活躍するミュージシャンを輩出しているラ・プラタ国立大学で作曲を学んだのち、ポップ/ロックのトリオ・バンド - ジョ、ラ・マキーナで活動。ソロとしての初作品となる本作では、ギターやピアノに加えて多重録音コーラス、ループやシンセなど俯瞰して音楽を捉えるものにしか見えない絶妙な装飾まで自身で担当。そこに川沿い音楽周辺のミュージシャンたちが菅も交えて参加、彩りを添えます。アルゼンチン音楽特有のメランコリーでセンチメントな唄旋律と私小説を綴るがごときプリミティヴな声、そして90'sのネオアコ・タッチにジャズ・フュージョンやブラック・ミュージックのエッセンスを窺わせるリズム解釈が混じり合い、極めて現代的なテクスチャーをまとっています。m-6"Viento Más Allá"にヘアニンネ・マルティン(アイ・フアニータ)が、m-8"Si Este Canto"に大御所モノ・フォンタナが参加。


    クアルタベーでジョアナ・ケイロスと共にプレイしている女性クラリネット奏者のアヴァンギャルドな唄ものソロ作

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      *昨晩は渋谷・道玄坂 Bar Blen Blen Blen で行われました「MÚSICA BRASILEIRA NO SÉCULO 21 -  21世紀ブラジル音楽ガイド - 出版記念パーティー」に参加しました。立ち席で満杯のお客さんの中、執筆者陣が交代でDJを務めたのですが、21世紀ブラジル音楽を紹介するディスク・ガイド本の出版記念というテーマに相応しく、「掛かってるこれは誰?」「すごく良いですね」という新しい音楽との出会いが数多く見られた好パーティーでした。今度は小田原など別会場でも開催して行くそうなので、あちらこちらに新世紀のブラジル音楽を愛好する輪が広がっていけば良いなと思います。

       

      クアルタベーでジョアナ・ケイロスと共にプレイしている女性クラリネット奏者のアヴァンギャルドな唄ものソロ作。

      ト・ブランヂリオーニがプロデュース、チン・ベルナルデスらがゲスト参加。

      MARIA BERALDO / CAVALA (ブラジル直輸入盤CD 2,157円+税)

      アヒーゴ・バルナベーのバックから派生したクアルタベー。モアシール・サントスのショーロを前代未聞の痛快な解釈で聴かせるこのグループのメンバーで、クラリネット奏者として、またコンポーザーとしてもイアラ・ヘンノやリネケール、エルザ・ソアレスの新作などに参加するマリア・ベラルド。エクスペリ・サンバのS.S.W. ホムロ・フローエスの最新作でもデュエットを披露している通り、キュートな歌声の持ち主でもあります。ソロとしての初作品となる本作では、シンコ・ア・セコやソロで、またプロデュース・ワークでも躍進を続けるノーヴォス・コンポジトーレスのS.S.W.ト・ブランヂリオーニが、打ち込みから録音エンジニアまで務め、ポスト・パンクにノイズ、ジャズの即興、MPB、様々な要素を呑み込んだ先鋭的なアルバムとなっています。マリア自身のセクシャリティーに基づきLGBT自由解放への思いを詩作に籠めながら、ニュー・ウェーヴなリーディング・トラック"Tenso"ではチン・ベルナルデス(オ・テルノ)がgで参加、中性的な声が魅力のリネケールに提供した楽曲のセルフ・カヴァー"Da Menor Importância"、サイケ・フォークな佇まいの"Amor Verdade"にはクアルタベーでも共にプレイするマリア・ポルトガル(drs)が参加、自身のclやb.clを多重録音してハーモニーを形成した"Maria"や"Helena" 、カットアップした音声を繋いでブラジル音楽のリズムに乗せた"Sussussussu"と、clという単菅の楽器奏者であるがゆえに生み出される、解放的で自在なメロディ・ライン、サンパウロを拠点とするミュージシャンならではの前衛志向、衝撃を与えるには十分なデヴュー作となっています。眉唾なのは、シコ・ブアルキ=トム・ジョビン作"Eu Te Amo"のeg弾き語りを元にしたアヴァンギャルドな解釈。


      混沌とした時間軸、エクスペリ・サンバの雄ホムロ・フローエスの新譜は10人のアンサンブルで

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        *明日の8/8は水曜日で定休となります。8/13(月)〜8/16(木)をお盆休みとさせていただきます。良い夏をお過ごしください。

         

        *発売中の「21世紀ブラジル音楽ガイド」でも一章を割いていただきご紹介しております、サンパウロのエクスペリ・サンバ。かつてアヒーゴ・バルナベーやイタマール・アスンサォンが探究した前衛的な音を現代の感覚を加味し受け継ぐ音楽シーンで、一度ハマると癖になってしまうともっぱらの評判です。現地ではクルビ・ダ・エンクルーザと呼ばれたりも。この前衛志向でアーティスティック、コマーシャルの向こう反対側を行く現在進行形のシーンを代表するのがS.S.W.ホムロ・フローエス。パッソ・トルトと言うグループでも活動し、サンバの大家ネルソン・カヴァキーニョのトリビュートを行ったり、ミナス出身のセーザル・ラセルダとのデュオ作もリリース、大ベテラン - エルザ・ソアレスの作品に参加するなど注目を浴びる存在ですが、この度新譜が届きました。

         

        混沌とした時間軸、エクスペリ・サンバの雄ホムロ・フローエスの新譜は10人のアンサンブルで

        ROMULO FRÓES / O DISCO DAS HORAS (ブラジル直輸入盤CD 2,000円+税)

        制作開始のきっかけは2004年1stアルバム「Calado」以来のパートナー・シップとなる造形作家兼詩人のヌーノ・ハモスがローマの空港からブラジルに戻る際、したためた詩作を電子メールしてきたことに因ります。そこには"Primeira Hora"、"Segunda Hora"、と1時間目、2時間目と題された愛やポリティカルな事象を題材にした詩作があり、これにホムロがバリトン・ヴォイスで節と楽曲をつけ、プロデューサーでもあるチアゴ・フランサのフリー・ジャズ的アレンジ術が加わったものが最終的には13曲。不穏な情勢を物語る不協和音やオブスキュアなメロディにはじまり、ジュリアナ・ペルヂガォン(cl)がデュエットの相手を務めるm-2、ホドリゴ・カンポス(g)、マルセロ・カブラル(b)ら盟友10人のアンサンブルでグルーポ・フーモを彷彿とさせるm-3、一転vo, g & b だけのアコースティックなm-4、クアルタベーなどで活躍するcl奏者のマリア・ベラルド・バストスが妖しげなミニマム・サンバの中を縫ってキュートな唄声を聴かせるm-5、ポスト・パンク的なm-7、世界の情勢を鑑みるかのように国名を連ねるm-8、ホムロの敬愛する哀しみのサンバ成分がもっとも顕著に旋律に現れたm-10、と時間軸の経過とともに彩りを増し、内容も徐々に膨らんでいきます。最終曲m-13のみヌーノと同じく造形作家兼S.S.W.のクリーマが作曲。耽美な管楽器のアンサンブルをふんだんに用いた新機軸。



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        大洋レコードは東京・神楽坂のセレクトCDショップです。

        ブラジル・アルゼンチンの現在のインディペンデントなシーンからの輸入盤CDを中心にお取り扱い。

        東京都新宿区矢来町139 東京メトロ東西線神楽坂駅2番出口すぐ。


        WEB通販はオフィシャル・サイト taiyorecord.com にて



        [国内盤リリースのご案内]


        FERNANDA TAKAI / O TOM DA TAKAI (TAIYO0034 2018.6.5 release) 好評発売中!


        TULIPA RUIZ / TU (TAIYO0033 2018.3.15 release) 好評発売中!


        PATRICIO PIETREK GRUPO / PAJÁRO AZUL(TAIYO0032 2017.12.04 release)

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        ryosuke itoh e shiho - minha estrada (TAIYO0031 2017.6.24 release)

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        [記事掲載のご案内]


        体験型アミューズメント・キッザニアの広報記事「キッザニアの窓」に大洋レコード伊藤のインタビュー記事とおすすめタイトルをご掲載いただきました。

        「親子で楽しむ、はじめての音楽」Vol.3 南米音楽



        女の子のスポーツライフをもっとファッショナブルに。「HBハミングバーズ」2018 Summer vol.14 に"Playlist for Summer"としてオススメ5作品の小さなレヴューを書いています。


        5/9発売 「POPEYE 6月号 "僕たちの好きな音楽。"」にて大洋レコードが掲載されます。川沿い音楽の取材も受けました。


        2018年1月末、神楽坂のアップデイトされた情報が満載の「帰ってきた!神楽坂本」(エイ出版)が発売されました。今回は"Culture 文化"のページに大洋レコードをご掲載いただいてます。ぜひ街ぶらショッピングのお供に。


        ひとまちっくす神楽坂「南米音楽と横浜ベイスターズと私。大洋レコードの伊藤亮介さん。」


        NUMBER WEB "野次馬ライトスタンド" 「ベイ戦士よ、ブラジル音楽を聴け!東京の路地裏から愛を込めて。」


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