プログレッシブなアルゼンチン産ジャズ・ロックの系譜。鍵盤奏者のS.S.W.としてのソロ初作

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    エレピのゆらめく音色と浮遊するメロディ、徹底した美意識に基づく堅固なリズム展開。フュージョニックな世界観に惹かれるようになったのはいつからのことでしょう。スピネッタのサイドマンだったエルナン・アシントのソロ作、そしてチャンチョ・ア・クエルダのナウエル・カルフィのソロ、これらジャズの素養のあるピアノマンたちのソロ作の持つロマンチストの佇まい。これらと系譜を同じくする、アルゼンチンのコンテンポラリー音楽らしいミスティークな魅力に溢れた作品がこちら。

    JUALIAN AMOS GANCBERG / ELEVEN (アルゼンチン直輸入盤CDR工場製品 2,278円+税)

    パット・メセニーのスタイルとよく比較検討され、ペドロ・アスナールやスピネッタのグループに在籍したこともあるアルゼンチンのフュージョンを代表するギター奏者リト・エプメール。かのカルテートにて鍵盤奏者としてプレイするのが、このフリアン・アモス・ガンベルグ。eギターを擁するインストのクアルテート、アウラを経て自らのコンポジションと編曲で発表するソロ作は、S.S.W.然としたうたもの作品。緻密に練られたドラマティックな展開と曲毎に適宜配されたチェロやバイオリン、コズミックなFX、m-8"Imagen"のようにトマス・アブラモビッチのバンドネオンも参加したりしながら、鍵盤の弾き語りらしい呼吸でまったく新しいメロディを紡ぎ出すフリアンの唄、メリナやブルーノのきょうだいでもあるマリア・モギレフスキーらがコーラスで彩るという新鮮な驚きに満ちた充実の内容。

     


    新録なのに心落ち着くヴィンテージ感。ビオレータ・パラへアルゼンチンからのオマージュ

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      *明日の12日は第二日曜ですが、慶事参加のために臨時休業とさせていただきます。

       

      昨日アルゼンチンから仕入れ商品の入荷がございまして、瑞々しい川沿い音楽の女性シンガーものでダニエラ・セサリオやメリサ・ラミオネ、そして10年以上前に初めて川沿い音楽の魅力に惹き込まれたきっかけの一枚、ダマシア・イ・ナベガンテスなど再入荷して居ます。ダマシア10年ぶりの新譜はまだ製品になっていないそうです。

       

      [再入荷案内]

      DANIELA CESARIO / QUIERO

      MELISA LAMIONE / INFINITOS FLORECERES 

      DAMASIA Y NAVEGANTES / PUNTO DE PARTIDA

       

      先月までの週末毎の悪天候が嘘のように好天が続きますね。もう冬の足音も近いということで少し肌寒いですが... 来週の日曜、11月19日(4:00PM~)は普段メインを張ることなどほぼなかった拙duo - ryosuke itoh e shiho のCD製品「MINHA ESTRADA」のリリース・パーティー となっております。私、録音で使ったギターで行くか、最後に買ったギターで行くか、密かにつまらないことで数日間悩み抜いておりましたが、日本シリーズ第6戦の今永くんを見習い、不退転の気合を入れて挑む所存です。どなたさまも万事お繰り合わせの上お越しいただけましたら幸いです。詳細はこちらを→

       

      途中から宣伝の文章にすり替わってしまいましたが、本当は天候や休日感から「こんな郷愁漂うヴィンテージな音がいいよね」という話をしたかったんです。

       

      新録なのに心落ち着くヴィンテージ感。ビオレータ・パラへアルゼンチンからのオマージュ

      V.A. / DESPUÉS DE VIVIR UN SIGLO - ARGENTINA CELEBRA A VIOLETA PARRA(アルゼンチン直輸入盤CD 2,259円+税)

      本年が生誕100周年ということで、ビクトル・エレーロ著の伝記「DESPUÉS DE VIVIR UN SIGLO」が出版されるなど、偉大なチリの国民的歌手を敬愛する機運が高まっています。言語を同じくするアルゼンチンでも有名な"Volver a los 17"をはじめ、名曲揃いのレパートリーからカヴァーは数知れず行われてきましたが、ブエノス・アイレスで活躍する女性フォルクローレ・シンガーたちを中心に新たに新録でトリビュートを行ったのが本作。パウラ・フェレー、カルラ・ヒアンニーニ、マリア・デ・ロス・アンヘレス・チキ・レデスマ(マリア・イ・コセーチャ)を中心に、ロレーナ・アストゥディージョや文化行政も担うテレサ・パロディをも招き、ジャズ界でも幅広く活躍するレアンドロ・カシオーニのギターや、4弦楽器クアトロ・プレイヤーのダビッド・ベドヤなど、シンプルに、アコースティックに、最小限の歌伴で、時折コーラス・ワークや打楽器を交えながら好演。m-18"Lo que más queiro"のように、ラテン・パーカッションのアンサンブルがバックを彩るものや詩の朗読、m-24"Anticueca No4"のようなソロ・ギターのインストもあります。

       


      エクスペリメンタルにガレージ・ポップ感。全てが規格外のブラジル、インディー・ロック・バンドの快作

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        思えばバンド幻想ともいうべきものに囚われていた時期が私にもありました。やはりBOØWYのようにvo, g, b, drs と4ピース揃うことでロック・サウンドが奏でられると。そしてひとつの理想に向かって力を併せて、ひとりでやる以上のことが成し遂げられる。これは理想的なかたちであって、私のような万能ではないのにエゴイスティックな人間の思いつきのような創作に付き合うのはさぞかし忍耐の要ることと思われます。バンドネオンのような珍しい楽器や、ベースと唄のデュオ、クラシックの弦楽が頻繁に登場したり、ドラムスは居たり居なかったり、既成概念にとらわれることなく多様に音楽は存在するということに気付かされたのはこの仕事を始めてからのこと。話は逸れましたが、真のオルタネイティヴィティを発揮するブラジルのバンドの新譜を仕入れましたのでご紹介します。

         

        ブラジル南西部のポルト・アレグリで結成されたエクスペリメンタル・ポップを身上とするインディー・ロック・バンドのアパニャドール・ソー、"孤独な採集者"、異訳すると"唯一の捕手"ということにもなりかねない名を持つ不思議なバンドのマジカルな音楽。

        APANHADOR SÓ / MEIO QUE TUDO É UM (ブラジル直輸入盤CD アートブック同梱豪華仕様 2,537円+税)

        2006年E.P.を制作してすぐの時期に、スター歌手マリア・ヒタのリオ公演にて前座に抜擢。クルミンがプロデュースしたアナログ・レコード制作やヴィンセント・ムーンの「A Take Away Show」ブラジル篇掲載などを経て、巨額のクラウド・ファンディングを得ることに成功した前作のフル・アルバム「Antes Que Tu Conte Outra」では、サンパウロ芸術評論協会の賞を受賞。キャリアを積み上げたバンドの次の一手は、雑踏や自然音に様々な小物、コラージュしたサウンドのレイヤーで幻想的な空気をつくりあげ、そこにアフロ・サンバのバチーダを刻むギターや深遠なチェロの音色、フロントのアレシャンドリ・クンピンスキらによるそこはかとなく詩情、メランコリアを感じさせる歌唱で、ブラジル人ミュージシャンのアイデンティティはそのままに、唯一無比の世界観を出現させるというアート精神に溢れた稀有な快作。私はビートルズ「リボルバー」や価値観の新たにした北東部出身のモンボジョーの1stのことを想起しましたが、現地メディアによるとロンドン期のカエターノ、ヴァングアルダ・パウリスタのオス・ムリェーリス・ネグラスとその子孫たち、現代に限って言えば、ニナ・ベッケルに楽曲を提供しているネグロ・レオにも共通するエッセンスを感じるとのこと。共同プロデューサーに立っているマルチ・インストゥルメンタリストのヂエゴ・ポロニを含め、3人のメンバーが楽器編成も取っ替え引っ替えしつつ、万華鏡のように豊かな色彩を描画していきます。友人宅の窓に吹く風を思い描いた名曲m-7"Bastas"で置き換えられた音色、音量バランスの斬新さといったら。m-3"Teia"とm-10"Pelos plhos do mundo"にミナス出身のS.S.W.ルイス・ガブリエル・ロペスが参加。m-15"O corpo vai acabar"などに同郷のチアゴ・ハミルが参加。ディスクを梱包する包装紙にメモやイラストをコラージュしたアートブックも同梱、紐閉じの箱に収められた豪華な仕様。

         



        大洋レコードは東京・神楽坂のセレクトCDショップです。

        ブラジル・アルゼンチンの現在のインディペンデントなシーンからの輸入盤CDを中心にお取り扱い。

        東京都新宿区矢来町139 東京メトロ東西線神楽坂駅2番出口すぐ。


        WEB通販はオフィシャル・サイト taiyorecord.com にて



        [イベントのお知らせ]


        2017.12.24 sun 18:00-24:00

        渋谷・道玄坂 Bar Blen Blen Blen

        開場18:00 / 終演24:00

        詳細は追って発表します

        [国内盤リリースのご案内]


        PATRICIO PIETREK GRUPO / PAJÁRO AZUL(TAIYO0032 2017.12.04 release)



        ryosuke itoh e shiho - minha estrada (TAIYO0031 2017.6.24 release)


        好評販売中!


        [web記事掲載のご案内]

        ひとまちっくす神楽坂「南米音楽と横浜ベイスターズと私。大洋レコードの伊藤亮介さん。」


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