店主、ブラジルのTVニュースにてCD文化を語る+洗練されたR&R、トロピカリア調のブギー、女性S.S.W. ラヤ+躍進するクラリネット、ジョアナ・ケイロスのセクステート新譜
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先日、取材に来ていただいたブラジルのTV局ヘヂ・グローボのニュース番組が放映された模様です。私、並びに当店に課せられた質問テーマはずばり、「世界的なCD不況が叫ばれるなかで、なぜ日本の、特にブラジル音楽のファンはCDをご購入いただけるのか」
TOWER RECORDSさんの後に、大洋レコード、さくっと登場してます。
というわけで、日本にいる我々は有能なメディアであるCDでこれからもブラジル音楽を聴いていきましょう。
洗練されたR&R、トロピカリア調のブギー、女性S.S.W. ラヤの初ソロ作にはサンパウロの粋が集まっています。
LAYA / LAYA (ブラジル直輸入盤CD 2,000円+税)
フランスで生まれ、ブラジル北東部フォルタレーザに育ち、2007年から音楽を学ぶためにサンパウロに居住する女性シンガー・ソングライターのラヤ。ここでは良質なレコーディングで定評のYBスタジオ、ならびに音楽出版社YBミュージックのオーナー - マウリシオ・タギリアリがギタリスト兼プロデューサーとして立ち、マリア・ポルトガル(drs, クアルタベーほか)、ガブリエル・ブブ(b、ド・アモールほか)、ルカ・ハエリ(cl, ts)、ジュリアナ・ペルヂガォン(cl, flute)など音楽シーンを賑わすミュージシャンたちとともに、アフロ・ブラジルや自身が育った北東部のエッセンスを感じさせる自作曲やマウリシオとの共作曲、ホムロ・フローエスをはじめとするエクスペリ・サンバ勢の楽曲 - クリーマのソロにも収録されていた"alguém responde para mim"の秀逸なカヴァーm-10や、1970年トロピカリア期のジャルズ・マカレー作"hotel das estrelas"m-5も収録。管も入りますし、ブギーだったり、ファンクだったりの要素も多々入っているにも関わらず、上品な色香を醸し出すラヤの唄声とこだわりぬいたヴィンテージ・トーンがこれらをモダンに洗練されたブラジル産R&Rへと昇華しているという作品。全14曲も収録というところに唯ならぬ意欲を感じさせます。
望郷の念にも似たメランコリア成分がクラリネットの音色から抽出されているからなのか、あるいは鮮やかなリズム解釈とハーモニーからなのか、ジョアナ・ケイロスの音楽はいつも人を惹きつける魅力に溢れています。モアシール・サントスをエキセントリックに再解釈したクアルタベー、日本企画の作品の吹き込みときて、本年末にはセクステートの作品が発表されました。
JOANA QUEIROZ SEXTETO / BOA NOITE PRA FALAR COM O MAR (ブラジル輸入盤CD 2,204円+税)
ハファエル・マルチニのコンテンポラリー・タッチなヴォイシングのピアノ、フルアコegを用いたモダン・ジャズ・スタイルのベルナルド・ハモス、そこに丸みを帯びたジョアナ・ケイロスのクラリネットとベッチ・ダウのスキャットを交えた繊細な歌唱が交互にリードを担う。以前はクアルテートで編成されていたジョアナ・ケイロスのリーダー作、ベースのブルーノ・アギラールはそのままに、ドラムスにフェリーピ・コンチネンチーノを据えて今回はセクステートです。アルゼンチンのコンテンポラリー・フォルクローレ・シーンとも親交の深いジョアナが、カルロス・アギーレに捧げたm-5"La Sorpresa"にはチェンバー・ブラスのグループ - インヴェントスが丸々参加、セシリア・メイレリスの詩にハーモニーを付けたm-6"Cânticos Xll"など叙情的な自作曲群に、ブラジルで活躍する女性木管奏者の先達レア・フレイリ作m-3"Temperança"、そしてイチベレのワークショップ・プロジェクトを経てきているジョアナのルーツ、エルメート・パスコアル曲m-7"Na Guaribada da Noite"を採り上げています。最終曲m-8"Estrada"でのこどもたちの唄声とのコラボレイションにはグッと込み上げるものがあります。
いままでに幾度か入荷して来てはいたのですが、掛けているそばから売れていってしまい、商品ページ作成に至らずにいたジョアナ・ケイロスの1st、再入荷しました。
JOANA QUEIROZ QUARTETO / uma maneira de dizer (ブラジル輸入盤CD 2,296円+税)
ジョアナ・ケイロス(cl)、ベルナルド・ハモス(eg)、ブルーノ・アギラール(b)、アントニオ・ロウレイロ(drs) というクアルテート編成をベースに、曲によってヴィトール・ゴンサウヴェス(p)らが参加。リオ出身のジョアナ・ケイロスにミナス出身のアントニオ・ロウレイロ、ジャズの素養のあるブラジル音楽のミュージシャンの間で新しい風が吹き始めていることを実感させてくれる2012年度作品。
- 2016.12.27 Tuesday
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- 18:37
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- by 大洋レコード