再入荷案内 / ネルソン・カヴァキーニョ・トリビュート 『ホムロ祭り』
お待たせしました。サンパウロ - エクスペリ・サンバの雄 ホムロ・フローエスがマリアナ・アイダールやニナ・ベッケルらに提供した楽曲をギター一本/マイク一つでセルフ・カヴァーした歌曲集「Por Elas Sem Elas」のCDアルバム、好評につき売り切れ中でしたが、この度再入荷を果たしました。
[再入荷案内 題して"ホムロ祭り"]
ROMULO FROES / POR ELAS SEM ELAS
この人のギターの弾き方、おこがましいようですがすごく共感を覚えてしまうのです。この性急なバチーダ、ねじ伏せるようにギターに挑むようなタッチ、個人的にも格好よく写ります。
旧譜も。
ROMULO FROES / UM LABIRINTO EM CADA PE
ホムロ・フローエスの作品でも多くの楽曲で共同制作者として名を連ねるヌノ・ハモスとクリマ、この二人の楽曲に特化した女性シンガー - マリアナ・アイダールの最新作も再入荷。
MARIANA AYDAR / PEDACO DUMA ASA
[新入荷案内]
そしてオリジナル・アルバムとしては5作目にあたる、傑作「Barulho Feio」(=醜いノイズ)。都会の喧騒とミニマムなサンバ・カンサォンとエクスペリメント、フリー・ジャズを融合させたアルバムのアナログLP(重量盤)を仕入れました。
ROMULO FROES / BARULHO FEIO [LP] (ブラジル直輸入アナログ盤LP 3,278円+税)
このアルバムにて最初に響き渡るのはヴェロニカ・フェヒアーニのバックにて来日経験を持つチアゴ・フランサのサックスのブロウ。パッソ・トルトでも共に活動するマルセロ・カブラルのコントラバスとホムロ・フローエスによる生ギターのバチーダと慈愛を覚えるバリトン・ヴォイス。坦々と紡がれる内省的なメロディにクロスオーヴァーしてくる街の音(ノイズ)。YBスタジオでレコーディングしたものを町中で試聴した際に、この背景音がないのはおかしい、とノイズを被せることを発想したそう。マリオ・マンガの娘でもある女性S.S.W.マリアナ・アイダールやアリシ・コウチーニョら新たなリリック・ライターを迎え、アカペラでサンバ・カンサォン的なメロディを辿るm-5"Poeira"、ソロ作が現地で話題の女性シンガー-ジュサーラ・マルサルとアカデミックなデュエットを披露するm-7"Espera"などの新機軸もあり、フリー・ジャズやアヴァンなだけではない新たな音楽の冒険が詰まっています。CDヴァージョンでは黒いシルク印刷だったジャケット・デザインが、アナログLPではクリーム色に立体建造物(スピーカー)+カラスと変わっており、ジュリアーノ・ゴメスによる長文解説(葡語ですが)が見開き内側に刷り込まれています。
そしてCDで二度と入荷することはないだろうと思われるホムロ・フローエスの1st「Calado」('04年)もアナログLP化されています。
エクスペリ・サンバの原点をお手元にいかがでしょうか。お買い逃しなく。
ROMULO FROES / CALADO [LP] (ブラジル直輸入アナログ盤LP 3,278円+税)
まるでネルソン・カヴァキーニョの儚く哀しげなサンバ・カンサォンのように、メランコリックな旋律がサウダーヂな心地にさせる作品。元ロザンゴ・カキというバンドで二枚のアルバムをリリースしていた男、ホムロ・フローエスの初ソロ作。タンボリンやクイーカが打ち鳴らすサンバ・ビートが右斜め後方で大きく鳴り響き、中央での哀愁のサンバを弾き語るホムロの曲の良さとのエクスペリメントなアンバランスさがまたクセになりそうなほど、涙腺を刺激します。クリマとヌノ・ハモス、二人とのコラボレイトに、A面最終曲でベテラン女性サンビスタのドナ・イナーがゲスト参加、B面最終曲にてアタウルフォ・アルヴィスとノエル・ホーザをメドレーでカヴァー。フォーリャ・ヂ・サンパウロ "2000年- 2010年ブラジル音楽の最も重要なアルバム作品50枚”に選ばれています。
LPでは音源制作から10年を経た2014年にリマスタリングされており、上記映像の音より遥かに高音質でお楽しみいただけます。
[純新譜CDのご案内]
'04年のデヴュー盤「Calado」以来、裏山のサンバに生きた大酒呑みのボヘミアン - ネルソン・カヴァキーニョ(1911 - 1986) からの影響を公言して憚らなかったサンパウロのS.S.W.ホムロ・フローエス。伝説のサンビスタ亡き後、ちょうど30年の節目に発表されたのが、サンパウロ・エクスペリ・サンバの雄によるリオ・オーセンティックなサンバ作家の楽曲トリビュート。チアゴ・フランサ(ts)のフリー・ジャズ・マナー、ギリェルミ・エルヂ(eg)の揺れるトレモロ、そしてホムロのバリトン・ヴォイス。前例を見ない前衛的で先鋭の眼差しのもと制作された未来世紀のサンバ・アルバム。ドナ・イナー、ナー・オゼッチ、クリオーロがゲスト参加。
ROMULO FROES / REI VADIO - AS CANCOES DE NELSON CAVAQUINHO(ブラジル直輸入盤 2,296円+税)
神に見放された身を歌うm-2"Nao me olhas assim"、自分の意志を保つべく耐え忍ぶ姿のm-3"Noticia"、まるでドルアーガの塔に攻め入るかの如き妖しげなファズ・トーンのリフはパッソ・トルトの盟友、ホドリゴ・カンポスやキコ・ヂヌッチ、コントラバスのマルセロ・カブラルらによるもの。キレの鋭いドラム・キットやクイーカなどサンバ打楽器はヴェリントン・モレイラ、そこにアラン・アッバヂアの生々しいtbが入って、と哀しげなマイナー旋律から一縷の希望を見出すように転調する元来の楽曲を完全に解体し、都市のノイズを被せモダイズムで刷新、再構築したネルソン・カヴァキーニョ楽曲が14曲。アナログ・シンセの変調パルスが地を這うm-5"Eu e as flores"にはベテランのドナ・イナー(vo)がゲスト参加、80年代にグルーポ・フーモでノエル・ホーザを解体カヴァーしている知性派ナー・オゼッチ(vo)がゲスト参加したm-8"Caminhando" 、ヴェーリャ・グアルダ・ムジカル・ダ・ネネー・ヂ・ヴィラ・マチウヂの面々とアカペラ+即興的 tbで繰り広げるm-9"Vou Partir"、チアゴ・フランサの吹き荒れる即興で幕をあける名曲 m-13"Luz Negra"にはアフロ・ブラジルを感じさせるヒップホップで一世を風靡したクリオーロが参加、同じく金管アレンジをチアゴ・フランサが手がけた稀代の有名曲m-14"Juizo Final"まで、攻めの姿勢を感じずに居れないアーティスティックなトリビュート・アルバムとなっています。エンボスの施されたデジパックに、企画を立案した文化機関SESCのディレクター、ホムロ本人、ホムロの共同制作者ヌノ・ハモス、三者によるポルトガル語の長文解説を掲載。
- 2016.04.29 Friday
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- 18:08
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- by 大洋レコード