バー・ブエノスアイレスのコンピレーション5作目
Quique Sinesi / 7 suenos - Familia (メーカーにもこれ以上の在庫がなく、最終在庫の1枚となります)
近年ちょくちょくラジオのコーナーで選曲させていただくこともあるのですが、まったく別の出自のアーチストの楽曲を並べたときに不思議と整合性がみられることがままあります。この辺りがDJや選曲の醍醐味でもあると思うのですが、私にとっては、例えばカヴァーを入れてライヴ演奏をしようというときにもその場や主旨に合わせた何かを仕込んで行って、ということにようやく考えが及ぶようになりました。かつては出来ることだけやってそれで満足、という拙い考えだったことを恥じつつあります。
話は逸れましたが、この選曲にストーリー性を持たせて表現するということが叶っている名コンピレーションのシリーズ最新作が入荷をしてきました。
V.A. バー・ブエノスアイレス ~フロール~ (inpartmaint 2,300円+税)
「愛と微笑みと花、そして、音楽の優しさを」と帯にありますが、この"愛と微笑みと花"のフレーズはボサ・ノヴァが興隆してきた'50年代末、楽曲の歌詞テーマに登場する事象を簡潔にまとめた一節でもあります。渋谷で定期的に行われていた選曲イベント- バー・ブエノスアイレスから派生したコンピレーションの5作目は「Flor」=花。ソロ・ギターに始まり、マオガニのギター四重奏、ヴィブラフォンとコントラバスのジャジーなインスト、そしてバラケ=シソッコのチェンバーなアフリカ音楽デュオがブラジル北東部音楽のマスター・ピース"Asa Branca" をプレイ、というように繊細で丁寧に紡がれた音色がストーリーを持って展開してゆきます。サンパウロのベース奏者ホジェリオ・ボッテール・マイオがバルセロナで録音したアルバムからのトラックや、アルゼンチンの若手チャランゴ奏者ダミアン・ベルドゥンの1stからのトラックなど、当店でも馴染みの深いアーチストの作品からも収録されているのも嬉しいです。ジョアン・ジルベルト作の"Waltz for Bebel"を採り上げたデヴィッド・ゴードン・トリオやアルゼンチンのピアノ奏者セバスティアン・マッキが本コンピのために書き下ろした"Flor" まで、イタリア、イギリス、アフリカ、ブラジル、アルゼンチンと国籍は違えども音で繋がる美しいサウンド・スケープ。
収録曲:
01. Time Of No Reply / Misja Fitzgerald Michel
02. Valsa de Eurídice / Quarteto Maogani
03. Turn Out The Stars / Riccardo Fioravanti Trio
04. Asa Branca / Ballaké Sissoko
05. Gandanga / Alejandro Franov
06. Jú Y Las Mariposas / Damian Verdún
07. Hommage / Riccardo Zegna
08. Tudo Por Um Ocaso / Rogério Botter Maio
09. Maria e il Mare / Daniele di Bonaventura – Giovanni Ceccarelli
10. Ciranda de Sonhos / Duo Taufic
11. Mayo / Sebastián Macchi – Claudio Bolzani – Fernando Silva
12. São Paulo / Lucas Nikotian & Sebastián Macchi
13. Come São Lindos Os Yougius (Waltz For Bebel) / David Gordon Trio
14. Clue / Indra Lesmana
15. Flor / Sebastián Macchim(新曲・完全独占収録)
- 2016.01.30 Saturday
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- 15:49
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- by 大洋レコード