再入荷案内+コンラード・パウリーノ(g) の4テットにデボラ、タチアナ、レア・フレイリらが参加+アナ・パウラ・ダ・シルヴァの名作が再流通
本日サンパウロより、思っていたより早くの入荷がありました。と火曜にここまで書いたまま手を付けられずにいた、此処広報レポート。前回の入荷で瞬く間に売り切れてしまった以下のロングセラー商品が再入荷となっております。
[再入荷案内]
Leandro Maia / Suite Maria Bonita e Outras Veredas
VInicius Castro / Som na Sala 2012
Alvaro Gribel / Sao Francisco
Nina Becker / Minha Dolores - canta do dolores duran
Grupo CIncado / Novos Rumos
Jorginho Neto / Leste (追加分入荷)
Luis Felipe Gama e Ana Luiza / Vermelho (追加分入荷)
昼のワーキング・タイムは間もなく発表することのできる弊社の第27弾リリース・タイトルと付帯するツアーの準備に追われ、夜は悔しい連敗の続くDeNA戦を見届ける日々を送っております。その一方では続々と華々しい催しの情報が飛び込んできております。ブルーノート東京さんの広報誌では表紙がパット・メセニー。
中をめくれば毎年恒例のジョイスが初来日から30周年の記念公演に、
我らがダニ&デボラ・グルジェル・クアルテートが初登場!
今日の新譜紹介はこのダニ&デボラ・グルジェル・クアルテートからデボラ・グルジェル(p)がパーマネントに参加したサンパウロのギタリストによるコンテンポラリー・ジャズ/インストMPBのアルバムになります。直近ではアルゼンチンでキケ・シネシと2マンのショーを繰り広げた模様です。
Conrado Paulino Quarteto / CLIMAS (ブラジル直輸入盤 2,482円+税)
ホーザ・パッソスやアライヂ・コスタなど錚々たる面々の歌伴や編曲を務めたり、またインストゥルメンタリストとして舞台音楽からジャズ・ミュージシャンとの共演、と広く活躍するサンパウロのギター奏者、コンラード・パウリーノ。デボラ・グルジェル(p)、マリ―ニョ・アンドレオッチ(b)、ペルシオ・サピア(drs) らとのクアルテートを中心とした本作では、サンバ・ジャズなどブラジルのリズムと和声を、ジャズの言語で表現したアルバムとなります。冒頭からクラリネット奏者アレシャンドリ・ヒベイロをフィーチャーしたショーロ的アンサンブルによるフレーヴォ"O Esquimo em Olinda"、そしてドリヴァル・カイミのサンバ・クラシックm-3"Voce ja foi Bahia" の優美で滑らかな佇まい、弦楽とタチアナ・パーハ(vo) の目の醒めるような鮮やかなスキャットをフィーチャーしたm-5"Valsa Errante"、ここまで生ギターとまろやかなクランチ・トーンのegを使い分けてきたコンラードがソロ・ギターで挑むエドゥ・ロボ作m-6"Canto Triste"、木管の名手レア・フレイリ(flute) を迎えてのトム・ジョビン作m-7"Vivo Sonhando"、一転ガフィエイラ・ジャズといった様相を呈す管入りのm-8"Gemio" と、ジャズ・スタンダードをボサ・ノヴァ方面にたぐり寄せたm-10"It might as well be spring" があり、極めつけはロス・エルマーノス初期の名曲"Anna Julia" をダウン・テンポなボサ・ノヴァにしてコンラード自身のヴォーカリーズで聴かせるm-11。言葉もなしに雄弁に語られる魅惑のブラジル音楽。
[ギター雑談]
ベイスターズが負けまくり、仕事も捗らないもので、持て余しているフラストレーションが其処には介在するのですが、このような時にいつもB級ギター(というと語弊がありますが、所謂ソロ・ギターの人たちが使うような一級品ではないもの。流しのひとが使いそうな国産の一桁万円前半に限る)の収集という悪癖に走りがちなのが今日までの私です。鈴木には木曾と名古屋とがあって、矢入は一男さんと貞夫さんが居り、橋本さんがマルハ名義で作られてたりと無駄に知識が蓄積されていくのですが、60~70年代の試行錯誤した末に生み出される国産もので驚くような音が出たりするのに虜になりました。一方で粗悪な状態となってしまっているものに手を出したりもしてしまいましたが、それも勉強です。以前は杉のTOP単板で大きな音がすればそれでいいと思っていましたが、次第に自分に合った方向性というのを見出して行くようになります。その中で唄うときにはギターを頼りにしますので音の分離の良さと、オクターヴ・ピッチがなるたけ良いもの、これらの条件が自分に合っているので、いまはYAMAHA CP-300という70年代に開発されたポピュラー向けクラシック・ギターに、マルシオ・ファラコに教えて貰ったK&Kの四つ股ピックアップを米国からe-bayして装着(これは一晩悪戦苦闘しました)し使っています。そういえばと思いだしたのが、ちょうどジョアンが来日している頃にリリースされていたボサノヴァ用のCG-BN1という市価6万くらいのもの、前は結構店頭で見かけたのですが、誰かが「これはイイ!」と言ったのでしょうね、いまや全然見かけません。クロサワ楽器オリジナルのSTAFFORD BO-1 というのもヘッドの無骨なデザインがキュートです。このブラジル音楽への憧憬をかたちにした素敵な二品、いまここでー(バルディリスの応援歌参照)コレクションしたいのですが緊縮財政の続く昨今。それなりの覚悟が必要です。webで眺めるだけにしておくのが私には得策かと思われます。
[新譜紹介その2]
歌とギターだけのアルバムというのを探しにいらっしゃる多くのお客様、モニカ・サウマーゾ&パウロ・ベリナッチのバーデン曲集が入手困難ないま、必携の推薦盤となります。
去るひと月程前に入荷したデルシオ・マルケスのトリビュート盤。そこでフィーチャーされていた女性サンビスタのアナ・パウラ・ダ・シルヴァの歌とアレグリ・コヘーアのギターのシンプルな構成を元に作られた'06年歴史的名盤が流通を再開。なぜかアルゼンチン・プレスなのですが、そういえばトリオ・ファミリアのアルバムにも客演しておりました。
Alegre Correa & Ana Paula da Silva / Por Causa do Samba(ブラジル直輸入盤 2,602円+税)
ブラジルはサンタ・カタリーナ出身のアナ・パウラ・ダ・シルヴァは、20年前に舞踏からキャリアをスタートし、コンポーザーとしてはソングブックも出版、2年間を凄したオーストリアではジャズ・ミュージシャンのジョー・ザヴィヌルとの共演で栄誉ある賞にも輝いており、プロジェート・ピシンギーニャにも選出されている逸材。一方のアレグリ・コヘーアは自身のグループを率いながらコンテンポラリー・ジャズの分野でやはりオーストリアなど欧州でも高い評価を得たプレイヤーにしてS.S.W.。このふたりがウィーンのスタジオで2004年6月から制作をはじめたのがこの作品「サンバの原因」。ギターと歌だけで小気味よく聴かせる"ブラジルの水彩画”に"Tico Tico No Fuba"、波のようにゆったり寄せては返すヴィセンチ・バヘート作m-4"Na volta que o mundo da"、ミニマムなギターの音色に澄んだ唄旋律が響き渡るミルトン・ナシメント作m-8"Cancao do sal" の叙情的な佇まい、アレグリ・コヘーアの自作曲をアナ・パウラ・ダ・シルヴァが情感をこめて解釈した曲群に、アナ・パウラ・ダ・パウラの楽曲をアレグリ・コヘーアがギターの多重録音で彩りをつけてインスト仕立てにしたもの(m-9"Nem aqui, nem la..em nenhun lugar")、ホベルチーニョ・シルヴァのサンバ曲を導入部に、合作を試みたタイトル曲まで、背筋のピンと張ったしなやかな唄声と卓越した生ギターのバチーダが織り成す極上のアコースティックな詩情。
↓収録曲とは異なりますが、ロケーション、egの用い方、面白いので掲げております。
- 2015.07.31 Friday
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- 18:55
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- by 大洋レコード