ノーヴォス・コンポジトーレスの男性S.S.W. ルイス・アラーニャ、名盤「Cafe da Tarde」のパウラ・ミリャンも参加した作品

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    本日メールマガジンを発信しておりまして、そこには今日2タイトルをアップ予定と大層なことをブチ上げております。が、時間の余裕がございませんで、いつもの一枚集中にてご容赦いただければと思います。ちなみに食事の際のお楽しみメニューは最後まで取っておく方です。妖怪ウォッチではケータが取っておいた揚げパンをクマに食べられてしまいます。いまになって妖怪ウォッチの面白さに気付きました。世間の速度より大分遅れてますが、ブラジル音楽やアルゼンチン音楽に関しては UP TO DATE で居たいと願っております。勿論自分の範疇にて、ですが。

    drawing : lili itoh


    さて、標題のサンパウロのノーヴォス・コンポジトーレス周辺から登場した男性S.S.W.ルイス・アラーニャの作品についてです。近年のブラジル音楽/MPB作品としては極端に音数が少ないのが特徴で、生ギター、ベース、ドラムといったシンプル極まりない編成を基準に、その分際立って聴こえて来る甘くほろ苦い旋律、唄声で都会の情景を描いて行く、そんな作風です。

    LUIS ARANHA / ONDE BATESOL (ブラジル直輸入盤 1,750円+税)

    現在30代の前半でサンパウロ生まれ、州立カンピーナス大学(UNICAMP)でポピュラー音楽とギターを学んだ経歴の持ち主、ルイス・アラーニャは演劇などの舞台音楽も手掛けてきました。トン・ゼーの近作発表以降のステージなどでも活躍するドラムスのホジェリオ・バストスと共にアレンジの方向性を話し合いながら制作された10+1曲。ヴァングアルダ・パウリスタの流れを汲んだ冒頭"Nao Peco Socorro" のブリッジにもブラジルらしいソウル・テイストを盛り込んだり、m-2"Sentado na Soleira" をショッチたらしめているのは、素晴らしいルイス・ゴンザーガ集を発表しているギリェルミ・ヒベイロのアコーディオンだったり、管楽器を従えたガフィエイラ・サンバの佳曲m-8"Tem Cancao" やマルシャのm-10"O Amor na Banguela"、曲中に登場するトン・ジョビンやシコ・ブアルキの名前、とブラジルらしさを失うことなく独自に編み出した新鮮な音楽観を醸し出してくれているのですが、ギターの爪弾きにチェロが入ったりもするアルバム中盤のスローな楽曲群で発揮される持ち前の声の良さ、そして哀愁漂うメロディ・メイカーとしての抜群の感覚が聴きどころ。"Smoke on the water" をもじったリフが登場したり、ボーナス・トラックとして収録されている"A Batata e a Guitarra" は、幾曲かでバック・コーラスを務めるパウラ・ミリャン(「Cafe da Tarde」、「Amanhecer」、フィルアルモニカ・ヂ・パサルガーダ)とダンダラがリード・ヴォーカルをとる言葉遊びが愉快なキッズに最適な楽曲、と遊び心も盛り込んでいます。


    遊具行脚 + ヴィニシウスの孫娘がヴィズニキとアルバムを制作

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      定休をいただいております毎週水曜の我が家の育児day、おもしろい遊具を求めた公園行脚もいよいよ佳境に差し掛かります。長女が保育園を間もなく卒業しますので、4月からは車のCMにありますように男旅となるのでしょうか。やはり子供との時間、国内盤など制作物に掛ける時間、そして自身の試行錯誤の音楽の時間、いずれも大切にしたいので、店舗の営業日を変更するかも知れません。これについては店舗運営の効率と先々も鑑みながら思案していきたいと思っております。もうすぐ春ですね。

      練馬区にございます光が丘公園にて。目的地となる公園選定にはターザン・ロープが重要なファクターとなるのですが、ここはロータリー式ターザン・ロープという珍しい遊具がございます。参考文献:"恐るべき児童公園" いつも参考にさせていただいております。そもそもは自分の子供の頃に遊んだ箱ブランコ、あの揺りかごみたいなやつを探しているときに出会ったサイトなのですが、子供の視点にたって「ここ楽しそう」と想像を膨らませる作業は毎回新鮮でなかなか得難いものです。

      さて、初めにおことわりさせていただきますと、本日ご紹介する1作目は僅少数のみ在庫が確保されておりまして、3月には追加が届く、という状況のアイテムです。

      '07年に発表の「Se e Pecado Sambar」はジョビン"Fotografia”から始まる絶好のボサ・ノヴァ・アルバムとなって長く売らせて頂きました。ボサ・ノヴァの、ブラジル音楽の歴史になくてはならない詩人ヴィニシウス・ヂ・モライスの孫娘にあたるマリアナ・ヂ・モライスが、自身の詩的で繊細な表現で敬愛を集めるサンパウロのゼー・ミゲル・ヴィズニキや、マリーザ・モンチらのプロデュース・ワークで知られるアレー・シケイラ、打楽器奏者のマルセロ・コスタらと作った通算3作目。

      MARIANA DE MORAES / DESEJO (ブラジル輸入盤 2,315円+税)

      マリアナ・ヂ・モライスは'69年のリオ生まれなのですが、本作にはボサ・ノヴァやサンバという枠組みに囚われることなく、前衛的で詩的なサンパウロのエッセンスと、海の匂いのする往来のブラジル音楽のエッセンス、双方を含有しています。映画女優としての生業もありながらの音楽活動、キャリア30年で単独名義ではわずか3つのアルバムと、寡作なひとですがその分濃厚な思い入れと、この人が演る必然性が発揮されて来た、と感じます。ボサ・ノヴァ的なクルーナーで唄われる声は幾分コンプレッションされて、様々な工夫が凝らされたオーケストレーションに正対、不思議な高揚感を全体で生み出しています。冒頭ドリフでお馴染みのラテン・クラシコ"Taboo" に挿入される"Canto de Iemanja"、リンコルン・オリヴェッティの管弦アレンジがエレガントに作用するm-3"Vai e Vem"、ガル・コスタの名演で知られるm-4"Flor do Cerrado" はサシャ・アンバッキ(key)、ジェセ・サドッキ(tp) らが参加して華やかにモダナイズ。ゼー・ミゲル・ヴィズニキ作のm-5 "Assum Branco" は故ドミンギーニョスが最晩年に参加して現代的なフォホーとなっています。ヴィズニキのピアノをバックに親密に唄い上げるm-7"Cacilda" のそこはかとなく漂う詩的な佇まい、アドリアーナ・カルカニョット作のm-8"Mativos Reais Banais" ではアドリアーナがパルチンピンでみせたキッチュな音使いを踏襲しながら共作者の故ヴァリー・サロマォンの声をサンプリング、オマージュを捧げます。全編でベースを担当するグト・ヴィルッティの小気味良いギターとハンド・クラップを中心に据えたサンバのリズム、サルヴァドールを拠点とするガニャデイラス・ヂ・イタプアのコーラスで優美な祝祭感に包まれるm-10"A Mae d'Agua e a Menina"、全編を通して斬新なリズム構築を手掛けるマルセロ・コスタに端を発するサンバ・エンヘードのバツカーダに朗読ともラップともつかない詩的な前衛表現で魅せるm-13"A Liberdade" まで、祖父ヴィニシウスをはじめとするブラジル音楽を芸術の域に導いてきた先達へのオマージュと斬新で論理的な幾多ものアイディアが詰まった好盤。



      ギリェルミ・ヴェルゲイロのp、カルロス・ドス・サントスの7弦g にマリアナ・ヂ・モライスの唄。ジャズで解釈したシンプル・アコースティックなレパートリー。ジョビン"Fotografia”から始まる絶好のボサ・ノヴァ・アルバムも少数ですが在庫してございます。この機にぜひ。

      Mariana de Moraes / Se e Pecado Sambar (ブラジル直輸入盤 2,286円+税)

      includes : Fotografia (Tom Jobim) / Se e Pecado Sambar (Manoel Sant'Ana) / Meu Samba meu Lamento (Mauricio Carrilho, Paulo Cesar Pinheiro) / Pra Fugir da Saudade (Elton Medeiros, Paulinho da Viola) / Tenha Pena de Mim (Ciro de Souza, Babau da Mangueira) / I Fall in Love Too Easily (Kahn, Styne) / Ceu de Estio (Paulo Jobim, Ronaldo Bastos, Danilo Caymmi) / Estrada do Sol (Tom Jobim, Dolores Duran) / Medo de Amar (Vinicius de Moraes) / Fim de Sonho (Joao Donato, Joao Carlos Padua) / Deus no Ceu, Ela na Terra (Wilson Batista, Marino Pinto) / Agora e CInza (Bide, Marcal) / There Will Never Be Another You (Gordon, Warren)


      コンテンポラリーなソロ・ギター+再入荷案内

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        今日は東京マラソンということで、厳戒態勢&交通規制のなか朝から家人は妖怪ウォッチの映画に出掛けて行きましたが、そのマラソンにブラジル、女性MPBシンガーのゼリア・ドゥンカンが出場しているというのを彼女と友人同士でもあるフェルナンダ・タカイさんから教えてもらいました。 男性S.S.W. モスカがナヴィゲイトする弾き語りプログラム Zoombido の映像を見返したりしておりましたが、美しいバリトンの唄声がマンドリンやギターのみを背景にすると引き立って良いのです。J-WAVE "Saude Saudade" で近いうちにスタジオ・ライヴが放送となるようですので、楽しみに待ちます。ゼリアさんのマラソンご健闘を祈って!

        好評につきSOLD OUT となっておりました以下の商品が再入荷となっています。
        [再入荷]
        Tigana Santana / Magma & Tempo

        Carlos Aguirre Grupo / Crema

        さて、今日の新譜は昨日の記事の乱文を諌めるかのように滑らかなるギターの調べをアルゼンチンから... もし当店のお客様で昨日の記事にお気を悪くされました方がいらっしゃいましたら、大変失礼しました。電話にて担当の方から謝罪のお言葉をいただきまして、既に感情はオーバードライブしておらず、JC120のチャンネルA のようなクリーン・トーンです。Calm down...

        アレハンドロ・グショト(vo, g) とのデュオや34プニャラダスでの活動など、新しい世代によるタンゴのシーンで活躍するギター奏者のダリオ・バロッツィ(バロッシ)のソロ・ギター作品は、コンテンポラリー・フォルクローレの世界観。

        Dario Barozzi / SAVIA (アルゼンチン直輸入盤 2,157円+税)

        アルゼンチン音楽に根差した拍感を根底に感じながら、別動の爪弾きを見せる低音と高音で川の流れ行く風景を彷彿とさせるオリジナルのハーモニーを構築。指板上を駆け巡る粒の立った音色と柔らかな残響がとても心地よい好盤です。インストゥルメンタル作品ながらメランコリーな旋律が物語性を感じさせるm-4 "Una celebration (e.d.m.f.d.m.)" 、アンドレ・クエルボ監督のドキュメンタリー映画「El Retrato Potergado」の為のコンポジション m-5"Escena nocturna" 、m-6"Entreverando" の劇的でミステリアスな音像から、m-7"Paraiso Kamikaze" のように薄くエフェクトを掛けたトラック、m-9"Idilio andino" のパーカッションに見立てたギターの牧歌的な響きに安らぎを覚える瞬間、緑豊かな自然風景が脳裏に浮かぶm-12"Argentina" まで、曲中でアクセントとなる技巧も挟んで場面転換をしながら一気に聴かせてしまうこのスキルにはただ驚くばかりです。


        吹奏楽orqのジャズで壮大なミルトン・ナシメント楽曲集 + 神楽坂本

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          [子供の歯医者で見かけた日常の1ページ]


          先日、テレ東で放送された「永遠の0」を連夜観まして、日本の集団主義の恐ろしさに寒気がしました。「マッサン」でエリーを連れて行こうとする特高警察にも怒りを覚えましたし、「ごめんね青春」に出ていた会長がもう出ないのかと思うと残念です。こう書くと崇高な政治思想を持っているTVウォッチャーのようですが、私はただ零戦の工業製品としての美しさに惹かれる、飛行機や車や電車の好きな子供がそのまま大きくなった存在でしかありません。「おじゃMAP」で春日部特集だったときには、私も中・高を過ごしたあの辺りの空気感(野田と春日部はすぐ隣の県境です)が懐かしく思い出されました。やっぱり私は日頃TVを観てますね。MAPといえば美容室で読む「LIGHTNING」を出されている出版社さんから「神楽坂本」という雑誌/MOOKが出版されます。この地の知り合いの営む多くのお店が掲載されているのを誇らしく、嬉しく思う反面、p.103 に弊店が掲載されていますが、校正させていただいたのにも関わらず、修正されていないまま印刷されてしまった箇所がございましたのでこの場で訂正したいと思います。



          【今年10周年を迎える『大洋レコード』は、ブラジル、アルゼンチンなどの直輸入CD販売店。自身もミュージシャンである伊藤さんがセレクトする音楽はボサ・ノヴァやコンテンポラリー・フォルクローレ、S.S.W.ものなど、美しくたおやかで詩情のあるものが中心。すべてのCDに、伊藤さんによる紹介文のシールがついているのも特徴だ。新たな音楽に出会えるだろう。】

          【すべてのCDが 試聴できる】

          【商品紹介 ルビのプエンテ・インビシブレスヴェルメーリョ、逆です。大きく映ってるのがLuis Felipe Gama & Ana Luiza -Vermelho 、右隣がJulian Venegas, Lucas Heredia - Puente Invisibles。下に映っているのがVanessa Moreno & Fi Marostica - Vem Ver

          左下に小さく写る拙作品も含め、すべてデュオ名義の作品のみを選びました。


          もちろん「4522敗の記憶」を執筆されている村瀬さんのように、ひとを惹きつける力強い文章を書かれるプロのライターさんは尊敬していますし、私も本が好きですので文章を書くことにとても興味があります。が、今回に限らず、CD商品ではなく店舗備品の時計や扇風機を撮影されていった他社さん媒体のように"俺の心に着火ライター"な取材は双方にとって為にならないので今後はお断りするべきかも知れません。このような取材者と取材対象の意思疎通が果たされていない記事が出てしまう事件の共通項ですが、ライターさんが音楽表現に興味をお持ちでないケース。その方、おそらくここ数年音楽CDをご購入されたことがないのではないでしょうか、というのが私の推察によるところです、いかがでしょうか。
          今回の雑誌「神楽坂本」、巻頭の能町みね子さんの記事はとても面白いですし、雑誌常連のお店さんや場所だけではなく、坂上の新しいお店や硬派・強面で露出のなかったお店など沢山紹介されています。神楽坂のことをもっと知りたい方はぜひお買い求め下さい。

          さて気を取り直して、新譜紹介です。今日はブラジルものに戻ってインスト作品です。

          エルメート・パスコアルのバンドやトリオ・クリピーラのピアノ奏者でもあるアンドレ・マルケスが率いる吹奏楽オーケストラがヴィンテナ・ブラジレイラ。バイアォン、サンバ、マラカトゥ、様々なブラジルのルーツ・リズムを奏でる大編成のこのグループが壮大なインストゥルメンタル・アレンジに女性voのスキャットとジャズ・インプロヴィゼーションを加えて制作したミルトン・ナシメントの楽曲集を発表。


          Andre Marques e a Vintena Brasileira / Bituca (ブラジル直輸入盤 2,685円+税)

          '75年サンパウロ生まれのアンドレ・マルケスはウィルソン・クリアのポピュラー・ピアノ研究所で学んだ後、ジンボ・トリオの設立したCLAMでアミルトン・ゴドイに師事、自身のトリオ・クルピーラでブエノス・アイレスのジャズ・フェスやロック・イン・リオにも出演、エルメートのバンドの鍵盤奏者としてはその言葉通り世界中を隈無く廻った経験の持ち主。このヴィンテナは若き23人のミュージシャンと共に、エルメートやイチベレの提唱するワーク・ショップ的手法でまったく新たなブラジル音楽を刻もうという試みが為されており、本作が3作目。S.S.W.としてノーヴォス・コンポジトーレス発の先鋭的な作品を発表しているギー・シルヴェイラスが参加し、m-4"Cravo e canela+Maria tres filhos" やm-10"Testamento / Milagre dos peixes"で程よくアウト・オブ・ノートしたegを聴かせるほか、速いパッセージを吹きぬくそれぞれの管楽器とスキャットの役割分担、曲をメドレーで繋ぐことで生み出すエキセントリックな展開、どれも斬新で躍動しています。かと思えばシンガーのアナ・マルタの声を中心に、アカペラ・コーラスの編曲としたm-5"Meu veneno"もあり、m-6"Morro venho" のようにアンドレ・マルケスのソロ・ピアノのみのトラックも。そこかしこにリード楽器でジャズ・インプロヴィゼーションを挟み込むのですが、アンサンブルの下支えとなっている打楽器奏者もリズム上での冒険を繰り返し、既知の楽曲に新たな息吹を吹き込んでいます。ミルトン・ナシメント「Travessia」のアート・カヴァーにオマージュを贈った本作のグラフィックはダニ・グルジェルが担っています。

          収録曲:
          Aqui e o pais do futebol/Conversando no bar
          Primeiro de maio
          Cravo e canela/Maria tres filhos
          Morro Velho
          Cancao do sal
          Meu veneno
          Anima
          Testamento/Milagre dos peixes
          Os Povos
          Cais

          下記映像は本作収録曲とは異なりますが、サウンドの志向は近いと思います。

          端正な唄で魅了するフォルクローレの女性S.S.W.ヘオルヒナ・アッサンの新作

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            *明日は水曜で店休日となります。

            今日は岩手で津波注意報が発令されたり、都心も雪が散らついたり、何かと不安定な気候と情勢で、こういった時には一層気を引き締めないと、と思います。よくは知らぬ窪塚さんらが「ヴァイブス云々」などと言っておりますが、店を構えた対面商売をしていると何となく、「ヴァイブス」、「気」みたいなものはあるのかなと思います。この店に於いても極たまに招かれざる有象無象を引き起こしてしまうのは、「今日は日柄もよくないし」とか「昨晩の酩酊が」とこちらが油断した隙を突いて、です。高校生の頃、人柄の良さそうな美術講師のところに反社会勢力から予期せぬコンタクトがあり、その先生が精神的に参ってしまったのを思い出しました。

            もともと中二的な被害妄想の気があり、しばしば疑心暗鬼に苛まれる mi corazon を浄化してくれるのは、こころの籠った純度の高い歌唱。というわけで、アルゼンチンの正統派フォルクローレ女性シンガー、ヘオルヒナ・アッサンの3枚目となる新作。CDブックの装丁となる本作には、ヘオルヒナの詩作と並んでマリア・ウェルニッケの淡い色彩を用いた素朴な描画を掲載。カルロス・アギーレ(acc)、ラウラ・レデスマ(vo, cuatro)、ヴィトール・ハミル(vo, ブラジル)、ルーチョ・ゴンサレス(g, コロンビア)、マルタ・ゴメス(vo, チリ) とラテン・アメリカ中からゲストが参加、アコースティック楽器とチェンバーなアンサンブルがプリミティヴに澄んだ川沿い音楽の唄旋律に寄り添います。




            GEORGINA HASSAN / TORNASOL (アルゼンチン直輸入盤 2,361円+税)

            先頃現地にて再発された1stが2005年のリリースですから、3年に1アルバムのペースで丹念に作り込まれていることが容易に想像できる、'77年ブエノス・アイレス生まれの女性フォルクローレS.S.W.ヘオルヒナ・アッサンの3rd アルバム。前作「Como Respirar」から引き続いて、ジャズ寄りのアプローチで自作も発表しているディエゴ・ペネラスが制作/アレンジを担当、ヘオルヒナの書き下ろしが並ぶ冒頭"Azul de la manana" からマリッツァ・パチェロ・ブランコ(vln)の唄に寄り添う対旋律と共に展開のアクセントとなる良いピアノを弾いています。m-2"Zurcir" の可憐に旋律が舞い跳ぶさま、 m-3"Enquanto Isso" にはエレン・デ・ヨング(cello) 、フリエタ・ディ・フェデ(fagot)ら室内楽アンサンブルが彩るたおやかな情景。エルナン・クアドラドのコントラバスのみにガイドを頼み唄いはじめるm-4 "Solo por miedo"でのピッチの素晴らしさには感嘆させられます。正面を向いた純度の高い唄声と自身で爪弾くしなやかなギター、チャカレーラのリズムにインティ・イリマニのダニエル・カンティジャナがゲスト参加するm-8"La prietita clara"、チューバの低音と自在なクラリネットの波間を泳ぐようなワルツm-9"Agua de sede"、ヴィトール・ハミルが葡語でゲスト・ヴォーカルを務めるm-10のタイトル曲"Tornasol"、メランコリーを感じさせるアコーディオンの奏法がコンテンポラリー・フォルクローレの中心人物であることを図らずも証してくれているカルロス・アギーレ参加のm-11"A una hoja seca que vino de Francia"、近年に惜しくも亡くなってしまった国際的な女性S.S.W.ラサ・デ・サラのカヴァー m-12"El Pajaro" ではベシーナのラウラ・レデスマとデュエット、と前半の瑞々しく流麗な流れと後半の充実ぶり、秀逸なフォルクローレ作品。



            PR

            大洋レコードは東京・神楽坂のセレクトCDショップです。

            ブラジル・アルゼンチンの現在のインディペンデントなシーンからの輸入盤CDを中心にお取り扱い。

            東京都新宿区赤城下町10-10 東京メトロ東西線神楽坂駅1b出口3分。

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            が定休日です。 2022年5月26日、大洋レコード&Delicatessen として移転 OPEN。 11時〜18時の店舗営業、(土曜は14時~18時)。毎水曜・日曜・祝日定休とさせていただきます。

            03-3235-8825


            WEB通販はオフィシャル・サイト taiyorecord.com にて


            * information

            [以下の音楽雑誌に店主が寄稿しました]


            「ミュージックマガジン」ミナス特集にレコード・レビューを寄稿予定。(2022/6)


            FI MAROSTICA / VISÃO DO MAR (RCIP-0321 2021.6.30) ライナーノーツ


            ラティーナ2月号 (2020/1/20発売)

             

            「20年代はこの国の音楽に注目したい」


            e-magazine LATINA 「いま最も輝ける存在、サンパウロの女性シンガー、ヴァネッサ・モレーノへのロング・インタヴュー」(2022年2月23日)


            [国内盤リリースのご案内]

            Flor Sur Cello Trio, Airena Ortube & Julian Beaulieu / Un Solo Jazmin (大洋レコード国内盤CD 2022.7.23発売)好評発売中!


            SALOMÃO SOARES & VANESSA MORENO / YATRA-TÁ (TAIYO0041 2022.2.28) 好評発売中!


            VANESSA MORENO / SENTIDO (TAIYO0040 2021.6.26) 好評発売中!


            Carlos Aguirre / Canciones I 譜面集 46p(TAIYO0039 2020.12.26) 好評発売中!


            TINCHO ACOSTA (TAIYO0038 2020.8.28) 好評発売中!


            CHICO BERNARDES (TAIYO0037 2020.7.31) 好評発売中!


            MERY MURUA & HORACIO BURGOS / ROBLE 10 AÑOS (TAIYO0036 2020.6.13 release 限定盤) 好評発売中!


            ENSAMBLE CHANCHO A CUERDA / POSDATA (TAIYO0035 2018.12.22 release 限定盤) 好評発売中!


            FERNANDA TAKAI / O TOM DA TAKAI (TAIYO0034 2018.6.5 release) 好評発売中!


            TULIPA RUIZ / TU (TAIYO0033 2018.3.15 release) 好評発売中!


            PATRICIO PIETREK GRUPO / PAJÁRO AZUL(TAIYO0032 2017.12.04 release)

            好評販売中!


            ryosuke itoh e shiho - minha estrada (TAIYO0031 2017.6.24 release)

            販売中!


            [メディア情報]

            2022/5/31 (火) 15時 TOKYO FM 「The TRAD」 (パーソナリティ:稲垣吾郎) 生出演。初夏・新緑に似合うブラジル音楽を紹介させていただきました。


            2022/1/28 (金) 7:20分頃~ 放送予定 フジテレビCX系 『めざましテレビ』"なにわ男子のなんでやねん!" にて、長尾謙杜(なにわ男子)さんにブラジル・アルゼンチン音楽専門店 - 大洋レコードを取材していただきました。


            [記事掲載のご案内]

            2024年2月20日発売 雑誌「MINA(ミーナ)」4/5月号 "TOKYO MANIAC SHOP探訪"に大洋レコードの記事をご掲載いただいております。


            2022年12月 雑誌(ZINE) WAVE vol.2 “めくるめくCDの世界” 雨と休日さんやsnsでお見かけする100円CDディガーに8cm CD専門dj...錚々たる面々に混じって取材記事をご掲載いただきました。

            2021年11月20日発売、雑誌「散歩の達人12月号」神楽坂・飯田橋特集に当店が掲載されました!前回の掲載から何と8年ぶり、通算3回目の登場となります。


            2020年7月フリーペーパー 「新宿プラス vol.12」 #音楽のまち新宿 #武田真治 #saxplayer にご掲載いただきました。


            体験型アミューズメント・キッザニアの広報記事「キッザニアの窓」に大洋レコード伊藤のインタビュー記事とおすすめタイトルをご掲載いただきました。

            「親子で楽しむ、はじめての音楽」Vol.3 南米音楽



            女の子のスポーツライフをもっとファッショナブルに。「HBハミングバーズ」2018 Summer vol.14 に"Playlist for Summer"としてオススメ5作品の小さなレヴューを書いています。


            5/9発売 「POPEYE 6月号 "僕たちの好きな音楽。"」にて大洋レコードが掲載されます。川沿い音楽の取材も受けました。


            2018年1月末、神楽坂のアップデイトされた情報が満載の「帰ってきた!神楽坂本」(エイ出版)が発売されました。今回は"Culture 文化"のページに大洋レコードをご掲載いただいてます。ぜひ街ぶらショッピングのお供に。


            ひとまちっくす神楽坂「南米音楽と横浜ベイスターズと私。大洋レコードの伊藤亮介さん。」


            NUMBER WEB "野次馬ライトスタンド" 「ベイ戦士よ、ブラジル音楽を聴け!東京の路地裏から愛を込めて。」


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            • ダークなトーンから一筋の光をあてるような夢想の精神、ルシオ・マンテル
              伊藤亮介
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