Caymmi 兄弟によるドリヴァル集の美しさ + ダニデボQ会場即売案内

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    いよいよ来週に迫って参りましたダニ&デボラ・グルジェル・クアルテートの来日公演。イベント bar buenos aires の音楽選曲と共に楽しめる 9/6(金)サラヴァ東京の公演で、最新作「UM」、ダニ・グルジェル「Nosso 」「Agora」「Viadutos」、デボラ・グルジェル「Debora Gurgel」「Trialogo」の旧譜輸入盤を提げて即売をさせていただけることになりました。全方向型トール・スピーカーの採用など久保田真琴氏が音響設計をしたというアナログな手触りのサウンド、そしてグランド・ピアノ。サラヴァ東京のご予約がまだお済みでない方、下記リンク先予約フォームからぜひ!
    http://l-amusee.com/saravah/schedule/log/20130906.php

    こちらは「Nosso」の1曲目に収録の"Festa de santo"。エヴァーグリーンな魅力に溢れています。


    今日の入荷商品ご案内はブラジルの重要な唄声のひとりに数えられるバイーア出身のS.S.W./画家ドリヴァル・カイミのご子息兄弟 - ナナ、ドリ、ダニロによる隠れた美しい歌曲集。


    Nana, Dori, e Danilo / CAYMMI (ブラジル直輸入盤 2,100円税込)

    2014年4月の生誕100周年には、孫娘ステラ・カイミによる伝記の出版などが予定されており、数々のプロジェクトがこの記念すべき日に向けて動き出しています。まずその第一弾として兄弟の真ん中にあたるドリ・カイミが発案、姉のナナ・カイミとダニロ・カイミに相談を持ちかけ実現したのが本作。かつてドリヴァル・カイミが記した「1940年代の知られざるサンバ」という文献に従って、父への尊敬の念からあえて知られざる名曲にスポットを当てたというレパートリーは、バイーア産の潮の香りのするサンバ、海岸のバラッド、レクイエムのようにも聴こえるメランコリア、自然の恵みに感謝した地域神への賛歌、ゆったり伸びやかに表現された美しい旋律が並びます。ドリのギターにダニロのフルートは勿論のこと、ジョルジ・エウデルのベース、テコ・カルドーゾのフルート、曲に因ってはチェロなども入り、ナナ・カイミの祈るように神聖さを携えた唄声のソロ("Historia Pro Sinhozinho" など)から、三人の唄い分けによるメドレー、ドリとダニロのハーモニーとそれぞれが充実したキャリアを持つ音楽家3人の熟した鮮やかな彩りを感じ取ることが出来ます。円やかなアンサンブルと想い、愛に包まれる豊潤なブラジル音楽のアルバム。カヴァー・アートはドリヴァル・カイミが遺した自画像。ブックレットに家族の肖像も。



    ホーザ・パッソスのジャヴァン集 + エドゥ・ロボのオーケストラ共演盤

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      "スカートをはいたジョアン・ジルベルト”ことあだ名でならしたベテラン女性ボサノヴィスタ、ホーザ・パッソスの新譜はジャヴァン歌曲集。

      Rosa Passos / Samba Dobrado - Cancoes de Djavan (ブラジル直輸入盤 2,500円税込)

      これが17作目となるも、チャーミングな唄声は益々磨きがかかるベテランの女性ボサノヴィスタ - ホーザ・パッソス。前作エリゼッチ・カルドーゾのソングブック「e luxo so」に続き、今回はジャヴァンの70年代後半から90年代初頭に渡るレパートリーを前作同様にルーラ・ガルヴァォン(g)のアレンジで優雅に聴かせてくれます。ピアノにはサンパウロのファビオ・トーヘスも参加。ファンには定評の自ら弾き唄うギターもm-6"Petala" にて久々に披露してくれていて嬉しい限り。ジャヴァンのレパートリーでも軽やかに弾むメロディ・ラインに人気の高いm-11"Fato Consumado"やm-11"Serrado"、カエターノとの共作m-2"Linha do Equador"も収録、最終曲はホーザ・パッソス作の未発表新曲"Doce Menestrel"。

      1. Pedro Brasil (Djavan, 1981)
      2. Linha do Equador (Djavan e Caetano Veloso, 1992)
      3. Maca (Djavan, 1987)
      4. Faltando um pedaco (Djavan, 1981)
      5. Capim (Djavan, 1982)
      6. Petala (Djavan, 1982)
      7. Lei (Djavan, 1986)
      8. Para raio (Djavan, 1976)
      9. Cigano (Djavan, 1989)
      10. Samba dobrado (Djavan, 1978)
      11. Fato consumado (Djavan, 1975)
      12. Serrado (Djavan, 1978)
      13. Doce menestrel (Rosa Passos e Fernando Oliveira, 2013)




      MPB 愛好者の間で話題となっていたエドゥ・ロボとオーケストラの共演盤、入荷してます。

      Edu Lobo & Metropole Orkest (ブラジル直輸入盤 2,500円税込)

      60年代からボサ・ノヴァ/MPB界に自作の名曲と共に名を刻んで来たエドゥ・ロボ。ジスモンチやトッド・ラングレンとも共演経験のあるオランダの大編成管弦楽団 - メトロポール・オルケストと、その指揮者ジュールス・バックレイ、そしてスコアとピアノを担当したのがジルソン・ペランゼッタ、フルートとサックスのソロ奏者としてマウロ・セニージがクレジット。エドゥ・ロボの数々の名曲("Upa Neginho" はやっていませんが...) を大編成の壮大でダイナミックなアレンジで演奏しきったオランダの劇場でのライヴ録音。冒頭での"Vento Bravo" や "A Historia de Lily Braun" などヨーロッパ映画のサントラを何倍か増しでドラマチックにしたような演奏、ペランゼッタのジャズ調のピアノが効いた"Ave Rara""Canto Triste" などから、ノルデスチのリズムを豪華絢爛、スリリングに大迫力のオーケストレーションで聴かせる"Danca do Corrupiao""Frevo Diabo"、インストゥルメンタルで収録されたm-7" Casa Forte" にも顕著なように、マウロ・セニージのフルートは尺八と見紛うばかりに激しく吹き鳴らされます。もともと優れたポテンシャルを誇る佳曲が管弦のエネルギーに触発されたかのように侠気の勇ましさを伴うエドゥ・ロボの唄声と共に美しく姿を変えています。
      1 VENTO BRAVO
      2 DANCA DO CORRUPIAO
      3 NO CORDAO DA SAIDEIRA
      4 AVE RARA
      5 CHORO BANDIDO
      6 FREVO DIABO
      7 CASA FORTE
      8 CANCAO DO AMANHECER
      9 A HISTORIA DE LILY BRAUN
      10 A BELA E A FERA
      11 CANTO TRISTE
      12 ODE AOS RATOS
      13 ZANZIBAR
      14 NA CARREIRA



      ギター・ソロでタンゴの名曲を + サンパウロ・インディー音楽シーンが集結したアンジェラ・ロロ・トリビュート

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        好評のため売り切れとなっておりました
        mama!milk / Duologue
        が高音質SHM-CDの限定豪華装丁版で再入荷をいたしました。10月には東京・原美術館にて本アルバムのコンサートが予定されています。詳しくはオフィシャル・ページを→


        Federico Vallejos / De Gardel A Piazzolla (アルゼンチン直輸入盤 2,000円税込)

        タンゴのギターというと弦を打ち付けるように弾く歯切れのよいものを想像しがちですが、何でしょう、この包み込むように滑らかで柔らかいトーンは。他のギタリストとは全く異なる独自のアプローチでタンゴのハーモニーを解釈した画期的な一枚です。ブエノス・アイレス郊外のペルガミーノ出身のギタリスト - フェデリコ・ヴァジェホスは現在30代後半で、ギターだけのタンゴ・キンテート - キンテート・デ・ロス・サントスのメンバーとしても活動しています。欧州をはじめ海外でも多くのフェスなどに出演し国内外で高い評価を得ているのですが、本作は「ガルデルのものからピアソラへ」。"Libertango" (ピアソラ)に"Por una cabeza"(ガルデル)、タンゴの有名曲をルベーン・"チョチョ”・ルイスの編曲によるフォルクローレ・ギター的な流麗さで聴かせてくれます。親指のルート音と中指・薬指のフレージングが別の動きを見せながらギター1台で編み出すアンサンブル、ナイロン弦の響きが含有する優しさが目一杯フォーカスされた素敵なギター・アルバムです。フォルクローレ大家のレギサモンの手法を思わせるオリジナル・コンポーズ"Milonga Azul"にもうっとりとさせられます。


        そしてブラジルからはジョイア・モデルナのトリビュート・シリーズ、アンジェラ・ロロ篇。

        V.A. / Coitadinha Bem Feito - As Cancoes de Angela Ro Ro(ブラジル直輸入盤 2,400円税込)

        '79年に1stアルバムをリリース、80年代に人気を博し現在でも活動を続けているリオ出身女性MPBのシンガー・ソングライター - アンジェラ・ロロ(現地流に書くならアンジェラ・ホー・ホー)。日本でもウィ・ラブ・ブラジルのシリーズで「小悪魔」なる邦題のレコードが発売されていたことがあり、知名度のあるアーチストです。元のアンジェラはマイーザやエラ・フィッツジェラルドを敬愛し、ブルースの要素も採りいれたハスキーな唄声が魅力のアーチストですが、このトリビュート盤では、現代のサンパウロ・インディペンデントな音楽シーンの前線で活躍する男性アーチストたち、ルーカス・サンタナやオット、ギ・アマビス、チアゴ・ペチッチ、ペリコ、そしてパッソ・トルトの面々がそれぞれソロで、と全17曲。エレクトロニクスを用いてニュー・ウエーヴ・テイストに仕上げるものから、弦楽と打ち込みでメランコリーを強調したレオ・カヴァルカンチの"Came e Cave"、そしてやはり生ギター一本とルカ・ラエリによるフリー・インプロのクラリネットで潔く表現したホムロ・フローエス”So nos Resta Viver"や、生ギターのアルペジオによる現代的なヴォイシングで瑞々しさを増したダニ・ブラッキ"Tola Foi Voce" に特に惹かれます。



        eギターのボサノヴァ + ex.Tp4 のナタリアとマリアによるシナマンテス-アルバム完成!

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          昨日のパッソ・トルト新譜に続き、エレクトリック化されたブラジル音楽。といっても実績ある女性MPBシンガー - レイラ・ピニェイロとギタリスト - ネルソン・ファリアのふたりのみで録音されたデュオ作品です。最近の作品ですとアルトゥール・ネストロフスキーの娘であるリヴィア・ネストロフスキーとジョアン・サビアのギタリストでもあるフレッヂ・フェヘイラのふたりによるデュオ作品「duo」が同様に、eギター+女性ヴォーカルという編成でした。あちらはクルト・ワイル"ユーカリ”をやったり、ギターにイフェクトが多用されたりとひりひりとしたエクスペリメンタルな趣向が凝らしておりますが、今日ご紹介するこちらは完全に”ボサ・ノヴァ”です。

          Leila Pinheiro & Nelson Faria / Ceu E Mar (ブラジル直輸入盤2,400円税込)

          タイトル曲はボサ・ノヴァの創成期に活躍し、トム・ジョビンにも影響を与えたというジョニー・アルフの作品。そしてジョビンの作品では"Sucedeu Assim" を採り上げ、その後に続く次世代の作家たち - ジョアン・ボスコ”Bala com Bala"、ギンガ"Bolero de Sata"、マルコス・ヴァーリ"O Amor e Chama"、ジルベルト・ジルにイヴァン・リンスにジャヴァン、と連綿と続くボサ・ノヴァ、MPBの系譜をいつもはピアノでお馴染みのレイラ・ピニェイロの歌唱と、生ギターにはない伸びやかなサスティーンを活かしたクランチ・トーンに痺れるネルソン・ファリアのeギターだけで表現。この女性vo + eg という編成は、元を質せばエラ・フィッツジェラルドとジョー・パスが70~80s に試しているそうで、英語曲"That old devil called love" に顕著なようにジャズのムードが全編を覆っています。エドゥ・ロボ”Dos Navegantes" のように時を経て新たな魅力を引き出したものも多く、落ち着いて耳を傾けるには最適なeギターによるボサ・ノヴァ・アルバム。


          本日のもう一本はサンパウロのカヴァー・ポップ・バンド - Tp4 (trash pour 4) で活躍したリズム隊女子ふたりによる新しいプロジェクト- シナマンテス。2010年の5曲入ep 発表以降、レコーディング制作に入っていたフル・アルバムが遂に完成、到着しました。その間にフランスのヌーヴェル・ヴァーグとの共演などもあった様子。アルバムはパト・フのジョン・ウリョアのプロデュースで、パワーポップからモダン・フォーク、フォークトロニコにと、今回もひとヒネリ加えた独特のポップ・センスが病み付きになりそう。

          SINAMANTES (ブラジル直輸入盤 1,890円税込)

          3年前に発表したep から、メキシコの女性SSW ナタリア・ラフォルカデの葡語カヴァーをきっかけにラフォルカデ・トリビュート企画盤に参加したり、また2回に渡りSXSWを含む米国ツアーに挑戦したりと相変わらず視野の広い活動をみせるナタリア・マロとマリア・ポルトガル。Tp4 が「ヴァケーションに出た」ため休止、もともとアルゼンチンの出身でもあるナタリアはタンゴ・グループのガト・ネグロや自身のソロ、そしてマリアはフェルナンダ・タカイのバックや演劇音楽でも活躍、そして新世代のショーロ・インストゥルメンタル・グループ -クアトロ・ア・ゼロのベース奏者ダニロ・ペンテアードで結成されたのがこのシナマンテス。コンセプトの「ラテン音楽全般とブラジル音楽のポップな融合」に忠実に、ことさら今回は3人ともマルチ楽器奏者で唄えるという利点を活かしたビートルズ・ウェイのコーラス・ワークで色鮮やかにかつ骨太に、ひねくれポップを展開しています。 メンバー同士の共作や自作にこだわった全10曲はシンプルな構成の中にポル語、英語、西語の歌詞を織り交ぜつつも、ep とは1曲も重複しない潔さで聴き手に次は何が来るかなという期待感を抱かせます。プロデューサーのジョン・ウリョアがパト・フ「おもちゃの音楽」で完成させた小物使いの手法を活用しながらというのも勿論あるでしょうが、ビーチボーイズの箱庭ポップを思わせるイントロ"Meias Laranjas"、バンジョーと生活音を背景に澄んだメロディを唄い上げる"Seis Meses"、キンクスのあの名曲を思わせるリフからパト・フ"Simplicidade" 的な浮遊するエレクトロニクスへと展開するDespertadores"、"Net Working""Business Man"とサンパウロ都市生活者ならではのテーマを唄いながらもやはりナタリアのナチュラルに持つエレガントな声の成分はスペシャルだと感じずには居れないアルバム後半に掛けて、オススメです。うつむきがちな昨今、前を向かせてくれるようなサンパウロ産ポップ・ミュージックに勇気づけられること請け合いです。

          リリース記念のショーではアヒーゴ・バルナベーをゲストに迎えました。そしてフォゴッテン・ボーイズのパウロ・キシモト(key,g, vo) と exナチフッツのモニカ・アジェナ(g, vo) を加えた五人でライヴを行なっているようです。

          Sinamantes "Azar" from yb music on Vimeo.



          こちらはアルバム収録曲ではありませんが、アレハンドロ・サンスのカヴァーが格好良いです

          ブラジルの川沿い音楽とエクスペリサンバ

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            Conversa RIbeira / Aguas Memorias (ブラジル直輸入盤 2,400円税込)

            水、思い出。淡い水辺の風景を想起させる繊細なアコースティック音楽。ブラジルのカントリー・ミュージック - ムジカ・カイピーラを変革するトリオがこのコンヴェルサ・ヒベイラ。オープン・チューニングを基本にキラキラした音色を発するカイピーラ・ギターに、ピアノとアコーディオンの双方を演奏する鍵盤奏者、そして女性シンガーという編成で、ブラジルの内陸部、川沿いの風景をポエティックに描き出します。いわゆる伝統を継承したフォルクローレだけに留まらず、現代音楽やジャズのエッセンスも散りばめて、ミルトン・ナシメント作"Morro Velho"、チアォン・カヘイロ"A Coisa Ta Feia"、ルピシニオ・ロドリゲス"Felicidade" などMPBクラシックを現在の洗練されたアコースティック音楽の潮流に載せてプレイ。そこはかとなく漂うメランコリアがエリック・サティの名旋律を彷彿とさせるその名も"Conversa Ribeira"はホジェリオ・サントス作、カイピーラ・ギターのジョアン・パウロ・アマラルが作った"Ventania" では内に秘めた詩情を丁寧に紡ぐシンガーのアンドレア・ドス・ギマランイスと澄んだスキャットを聴かせてくれます。特に柔らかいタッチで流麗なピアノを披露するダニエル・ムリェールの自作に加え、他にもルイス・フェリーピ・ガマなど現代の音楽家たちの作品を採り上げており、故郷の美しい風景といま吹く風の匂い、音楽に対する発展的向上心、これらを見据えた末永く聴ける傑作。オーケストラとの共演やモニカ・サウマーゾとのプロジェクトなども進行しているそうで、今後の動向も楽しみです。



            今日はお休み明けということもあり、もう一本ご紹介します。私は毎朝欠かさず「あまちゃん」を見ています。大友良英さんがあの素晴らしいテーマ曲や「潮騒のメモリー」など劇中歌を作曲されていますが、もともとフリージャズやノイズのミュージシャンという印象しか抱いてなかった私にとって、子供をはじめこれだけ多くのひとのハートをキャッチしたあの音楽はにわかに信じ難いものでした。テーマの中でチャンチキを入れたり、やはり日本人としての音楽的基盤がしっかりとある上での氏の実験音楽だったのですね。さて、今日は私が待ち望んでいたサンパウロのサンバを根底に持つS.S.W.3人とプロデューサーとしても実績を持つコントラバス奏者によるエクスペリサンバ・ユニット - パッソ・トルトの新作です。

            Passo Torto / Passo Eletrico (ブラジル直輸入盤 2,000円税込)

            前作アルバムで第23回ブラジル音楽賞MPBベスト・グループを受賞したパッソ・トルト。それぞれがソロ名義でアルバムをリリースするS.S.W.3人(ホムロ・フローエス、ホドリゴ・カンポス、キコ・ディヌッチ)とクリオーロなどのプロデュースでも知られるマルセロ・カブラルの4人組。それぞれ根底にサンバのフィールを持ちながら、一切パーカッション類を使わないという姿勢で実験精神旺盛に斬新なアンサンブルを生み出すこのグループの2作目となる本作は「電気化された歩み」。コントラバスと生ギター、そこにファズを効かせたエフェクティヴなeギターが二台、時にカヴァキーニョ(m-5"Simbolo Sexual"、m-12"Rarara" etc)、不協和音で絡み合いスリリングに尖ったムードを醸し出します。しかし陰影を落とすオブスキュアなトーンに、ホドリゴ・カンポスやホムロ・フローエスの落ち着き払ったクルーナー気味の唄声が哀愁のサンバ直系のメロディを辿ると元はボサ・ノヴァ的なハーモニーを持っていたものに対して、敢えて崩すようなアプローチを辿っていることが見えてきます。サンパウロらしい都会の美学は実験的な音、捻った歌詞の内容、佇まいのすべてに活かされています。それぞれ個性がたつ4人が出す音が奇妙な合致を得た瞬間、カタルシスを覚えずには居れない衝撃的なアルバム。

            ちなみに今作のカヴァー・アートには前作で映っていなかったマルセロ・カブラルがフィーチャーされているので、二枚を並べるとパッソ・トルトが完成するという意図。




            PR

            大洋レコードは東京・神楽坂のセレクトCDショップです。

            ブラジル・アルゼンチンの現在のインディペンデントなシーンからの輸入盤CDを中心にお取り扱い。

            東京都新宿区赤城下町10-10 東京メトロ東西線神楽坂駅1b出口3分。

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            が定休日です。 2022年5月26日、大洋レコード&Delicatessen として移転 OPEN。 11時〜18時の店舗営業、(土曜は14時~18時)。毎水曜・日曜・祝日定休とさせていただきます。

            03-3235-8825


            WEB通販はオフィシャル・サイト taiyorecord.com にて


            * information

            [以下の音楽雑誌に店主が寄稿しました]


            「ミュージックマガジン」ミナス特集にレコード・レビューを寄稿予定。(2022/6)


            FI MAROSTICA / VISÃO DO MAR (RCIP-0321 2021.6.30) ライナーノーツ


            ラティーナ2月号 (2020/1/20発売)

             

            「20年代はこの国の音楽に注目したい」


            e-magazine LATINA 「いま最も輝ける存在、サンパウロの女性シンガー、ヴァネッサ・モレーノへのロング・インタヴュー」(2022年2月23日)


            [国内盤リリースのご案内]

            Flor Sur Cello Trio, Airena Ortube & Julian Beaulieu / Un Solo Jazmin (大洋レコード国内盤CD 2022.7.23発売)好評発売中!


            SALOMÃO SOARES & VANESSA MORENO / YATRA-TÁ (TAIYO0041 2022.2.28) 好評発売中!


            VANESSA MORENO / SENTIDO (TAIYO0040 2021.6.26) 好評発売中!


            Carlos Aguirre / Canciones I 譜面集 46p(TAIYO0039 2020.12.26) 好評発売中!


            TINCHO ACOSTA (TAIYO0038 2020.8.28) 好評発売中!


            CHICO BERNARDES (TAIYO0037 2020.7.31) 好評発売中!


            MERY MURUA & HORACIO BURGOS / ROBLE 10 AÑOS (TAIYO0036 2020.6.13 release 限定盤) 好評発売中!


            ENSAMBLE CHANCHO A CUERDA / POSDATA (TAIYO0035 2018.12.22 release 限定盤) 好評発売中!


            FERNANDA TAKAI / O TOM DA TAKAI (TAIYO0034 2018.6.5 release) 好評発売中!


            TULIPA RUIZ / TU (TAIYO0033 2018.3.15 release) 好評発売中!


            PATRICIO PIETREK GRUPO / PAJÁRO AZUL(TAIYO0032 2017.12.04 release)

            好評販売中!


            ryosuke itoh e shiho - minha estrada (TAIYO0031 2017.6.24 release)

            販売中!


            [メディア情報]

            2022/5/31 (火) 15時 TOKYO FM 「The TRAD」 (パーソナリティ:稲垣吾郎) 生出演。初夏・新緑に似合うブラジル音楽を紹介させていただきました。


            2022/1/28 (金) 7:20分頃~ 放送予定 フジテレビCX系 『めざましテレビ』"なにわ男子のなんでやねん!" にて、長尾謙杜(なにわ男子)さんにブラジル・アルゼンチン音楽専門店 - 大洋レコードを取材していただきました。


            [記事掲載のご案内]

            2024年2月20日発売 雑誌「MINA(ミーナ)」4/5月号 "TOKYO MANIAC SHOP探訪"に大洋レコードの記事をご掲載いただいております。


            2022年12月 雑誌(ZINE) WAVE vol.2 “めくるめくCDの世界” 雨と休日さんやsnsでお見かけする100円CDディガーに8cm CD専門dj...錚々たる面々に混じって取材記事をご掲載いただきました。

            2021年11月20日発売、雑誌「散歩の達人12月号」神楽坂・飯田橋特集に当店が掲載されました!前回の掲載から何と8年ぶり、通算3回目の登場となります。


            2020年7月フリーペーパー 「新宿プラス vol.12」 #音楽のまち新宿 #武田真治 #saxplayer にご掲載いただきました。


            体験型アミューズメント・キッザニアの広報記事「キッザニアの窓」に大洋レコード伊藤のインタビュー記事とおすすめタイトルをご掲載いただきました。

            「親子で楽しむ、はじめての音楽」Vol.3 南米音楽



            女の子のスポーツライフをもっとファッショナブルに。「HBハミングバーズ」2018 Summer vol.14 に"Playlist for Summer"としてオススメ5作品の小さなレヴューを書いています。


            5/9発売 「POPEYE 6月号 "僕たちの好きな音楽。"」にて大洋レコードが掲載されます。川沿い音楽の取材も受けました。


            2018年1月末、神楽坂のアップデイトされた情報が満載の「帰ってきた!神楽坂本」(エイ出版)が発売されました。今回は"Culture 文化"のページに大洋レコードをご掲載いただいてます。ぜひ街ぶらショッピングのお供に。


            ひとまちっくす神楽坂「南米音楽と横浜ベイスターズと私。大洋レコードの伊藤亮介さん。」


            NUMBER WEB "野次馬ライトスタンド" 「ベイ戦士よ、ブラジル音楽を聴け!東京の路地裏から愛を込めて。」


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