唄&チェロ/ギターの幻想ブラジル音楽男女デュオ+若きブラジル音楽のインタープリーター
昨晩のプロ野球開幕戦 DeNA x 中日、TV観戦で楽しみましたがやはり野球は筋書きのないドラマだなと感動の一戦でした。今年もベイスターズが勝った翌日はスタンプカードのポイントを1つサービスさせていただきます。
先日の再入荷案内に漏れていた商品がございますのでご案内します。
Ricardo Herz Trio / aqui e o meu la
Debora Gurgel
Fabio Cadore / Instante
そして「家宝ものDVD」
Tatit, Wisnik, Nestrovski / O Fim da Cancao も再入荷してきました!
ブラジルでは類を見ないチェンバー・エクスペリメンタル・幻想ポップを展開する男女デュオ、ドイス・エン・ウン、待望の2ndアルバムが到着しました。
DOIS EM UM / AGORA (ブラジル直輸入盤デジパック仕様 1,890円税込)
チェロを弾きながらプリミティヴな妖精を思わせるウィスパー・ヴォイスで詩的に綴るフェルナンダ・モンテイロ、バイーアのロック・ポップのバンド - 元ペネロピのギタリストでコンポーザーとして映画音楽なども手掛けるマルチ・インストゥルメンタリスタ、ルイザォン ・ペレイラの夫婦デュオ、ブラジルを始め各地で絶賛を受けたボサ・フォークトロニコ・テイストの1stアルバムから4年、待望の2ndアルバムを発表。フェルナンダ・モンテイロはクラシカルな分野でバイーア交響楽団のチェリストを務め、ここでもゲスト参加しているトゥリッパ・ルイスの「トゥド・タント」の国内ツアー・メンバーでもあります。いつしか時代がポップ・フィールドの中にチェンバーな響きを求めるようになり、チェロの擦弦音の余韻と微睡むように幻想感を醸し出すメランコリーな唄旋律と、ボサ・ノヴァに代表される深みを持ったハーモニーの作曲技法、エレクトロニクスの味付け、見え隠れするエクスペリメンタル・ポップの影響、たゆたうように溢れ出るこのアルバムのサウンドには飽くることがありません。全面的にシダダォン・インスチガードのヘジス・ダマシェノ(b) が参加、弦楽から吹奏楽、ローズに生ギターとeギター、エレクトロと背景は曲毎に移り変わるのですが、まるでダイアローグを見ているかのように確固たる”二人の音楽”という芯を感じます。MPBの作詞家として著名なホナウド・バストスと共作した"Voce tem o que eu preciso"にはピアノでウンベルト・バホス(キッヂ・アベーリャ)が参加、緊迫と安穏が交錯する"Saturno" には友人でもあるトゥリッパとグスタヴォのルイス姉弟が参加、オルゴールのアンサンブルを模したワルツがあり、アフロ・ブラジル音楽、カンドンブレーの楽団として知られるオルケストラ・フンピレッスのレチエーリス・レイチが吹奏楽アレンジを手掛けたマルシャ”Matine"、バイーアのサンビスタとしてならした伯父のエデラルド・ジェンチル・ペレイラへのオマージュ"Compadre" やノルデスチの女性S.S.W.ヘベッカ・マッタをゲストに迎えた"Festim" でみられる実験サンバの風景まで一見グローバルな視点のインディペンデント・ポップと思いきや、しっかりとブラジリダーヂが息衝いています。ひとりの部屋で、ヘッドフォンで、夢見心地の傑作アルバム。
今日はもう一タイトル。
LINEKER / eLe (ブラジル直輸入盤 1,680円税込)
サンパウロの若干25歳にして頭角を現した男性インタープリーター(=専業歌手)、リネケール。トラッド曲の"Aboio" などで見せるファルセット・ヴォイスなどには中性的な成分をも含み、マルコス・サクラメントやマテウス・サルトリ、セルソ・シンら実力派シンガー達と連なる正統なMPBの担い手の系譜を感じ取れますし、ジルベルト・ジル"Roda"やドリヴァル・カイミ"A lenda do abaete"、ジョルジ・ベン"Capoeira"、ミルトン・ナシメント"Sentinela" などブラジル音楽が携える良曲を聴かせる技量は固より、アコーディオンや生ピアノに管弦楽器、サンバ楽器を用い再解釈されたアレンジメントの妙と、特筆すべき音の良さでまたひと味違う楽曲の魅力に気付かされます。ラッパーのジョタ・ゲットーを招いたゴンザギーニャ"Comportamento Geral" は現世代の若者ミュージシャンらしいフレッシュさに満ちています。
- 2013.03.30 Saturday
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- 15:29
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