新世代派ブラジル音楽
カエターノ・ヴェローゾのバンダ・セー、+2 プロジェクトやオルケスタ・インペリアルでお馴染みの奇才ギタリスト - ペドロ・サーがプロデュース、バイーアで録音、リオにあるカシンのスタジオ- モノアウラルでダニエル・カルヴァーリョ/イゴール・フェレイラがミックス、ということで上記の"ブラジル音楽新世代派”と呼ばれるプロジェクトや、カエターノの新譜、マルセロ・カメーロ、ロス・エルマーノス、ウルトモルヂ、オス・ヒチミスタス、フビーニョ、シダダォン・インスチガードがお好きなら是非のチェックをお薦めします!
形骸化されたものでなく、斬新なポスト・サンバ・ロックなサウンドを鳴らすバイーア出身のホネイ・ジョルジとそのバンド - オス・ラドロイス・ヂ・ビシクレータ(自転車泥棒)。思わず飾りたくなるクールなアートワークはデジパック仕様!
RONEI JORGE E OS LADROES DE BICICLETA / FRACOS COMPRIMIDOS COMPRESSAS (ブラジル直輸入盤 2,200円税込)
性急なサンバ・キックにボサ・ビートを刻むリム・ショット、バチーダにどこか哀愁めいたヴォーカル、と、そこにカットインしてくるトレモロの効いたエキセントリックなギター....骨太で横揺れを喚起するサンバ/サンバ・ホッキのリズムに変拍子、サーフ・ロックの大らかさと、粗野なガラージュのムード、エクスペリメンタル・タッチの変態なギターやらファズ・ベース、ワーリッツアー、ノード・リードの繊細なトーンが絡み合い、至極斬新なグルーヴを醸し出します。前述のポスト・サンバ・ホッキから、ファンキ調カッティングに五線譜を自在に跳び回るヴォーカルはまるでネオ・トロピカリアの桃源郷、大いに酩酊させてくれることでしょう。
ポスト・ロック通過後の価値観を持ったイマジネイティヴで自在な音作りと、自分たちの生まれ持つ環境に根付いたリズム感覚が出会う、ブラジルでしか生まれようのない音がここにあります。
ホネイ・ジョルジはこの前'03年にもアルバムをリリースしているのですが、こちらはカエターノのバンドでギターを弾いていたルイーズ・ブラジルがプロデュースをしていました。カエターノのバンドでルイーズ以降に新たにギタリストとして迎えられたペドロ・サーが新たにプロデューサーとして立ち、そしてバンド - 自転車泥棒はアート・リンゼイやバイーアの人気女性歌手イヴェッチ・サンガーロとの仕事で知られるジュニーニョ・コスタをギタリストとして全編の参加を仰ぎ制作されたのがこの新しいアルバム。最終曲はゲスト・ヴォーカルにリア・ロルデーロ。石油会社ペトロブラスの文化的プログラムの後援を得ています。
- 2009.11.26 Thursday
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- 17:55
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