ルス・デ・アグアのピアノ奏者セバスティアン・マッキのソロ作 + 私は今月これを売りたい、アインダ・デュオの1st
*12/3 セバスティアン・マッキの「Piano Solito」、試聴リンクを追加しました。
昨晩は国際交流基金のプロジェクト、Olha Pro Céu - Rio de Janeiro to Tokyo 第二夜に参じてまいりました。サンパウロのラッパー、エミシーダのパフォーマンス。私は初めてみたのですが、dj + per. + g + mc/vo という編成でトラックと生楽器のグルーヴを混ぜながら、低く響く良い地声のエミシーダによるラップは歌やバックのメンツとのコーラスも交えて、とても見応えのあるショーでした。アニメやゲームからのサンプリングを入れ込んで来たりも。日曜に弊店のイベントへご出演いただくサイゲンジも、自身のオリジナル・コンポーズを中心としたバンド・セットで、当日にかける意気込みを物凄く感じたナイス・ステージでした。日曜は生ギター一本でまた違った顔をみせてくれるのでは、と益々楽しみになってきました。ぜひ今週末のスケジューリングをお願いします。大洋レコードのテラスで14時から16時です。
写真はエミシーダの傑作「O Glorioso Retorno de Quem Nunca Esteve Aqui」に終演後サインをいただいたもの。現在店頭にてCDは売り切れてますが、同タイトルのアナログLPが一枚のみ在庫ございます(6,700円)。ご所望の方はメッセージください。
さて弊店のお客様のなかには、弊社レーベルのリリース・アーチストであるトミ・レブレロが2年連続で京都音博にてお世話になりましたロック・バンド、くるりが表紙となっているミュージック・マガジン10月号をご覧になられた方も多いかと思います。かくいう私も、お客様がこの雑誌をお持ちになり、弊店の陳列棚を真剣にご覧になっているのをみて慌てて家内に買いに走ってもらったくちではあるのですが、このミュージック・マガジン10月号では、特集が「アルゼンチン音楽の現在」となっておりまして、アルゼンチンに滞在されていた宮本剛史さんと「アルゼンチン音楽手帖」を執筆されている栗本斉さんがディスク・レビューを行なっています。そこでトップに持ってこられているのが、男女デュオのアインダ・デュオ「Segundo」。ピアノ奏者ギジェルモ・クレインに師事を受け、アルゼンチンのみならずウルグアイ、スペイン、ポルトガル、フランス、スイス、ドイツ、イギリス、メキシコと世界をツアーして廻る実績を打ち立てている若きミュージシャンです。と或る日にSNSで、これも弊社でリリースしているS.S.W.のフリアン・モウリンが「友人のアインダ・デュオが大きな会場でやるよ」ということで動画を紹介していたのですが、これが川沿い音楽の瑞々しさと芳しい華やかさを併せ持った鮮烈な表現として私のハートに飛び込んでまいりました。この時にみた映像の"Tejiendo Sueño"はアインダ・デュオの「Uno」に収録、彼らのこの1stアルバムは、恐らく日本初入荷となります。というわけで長くなりましたが、私が今月売りたいのはこのタイトル。
AINDA DÚO / UNO [2013] (アルゼンチン直輸入盤 2,398円+税)
ウクレレを弾き唄うエスメラルダ・エスカランテと、優しい音色でギターを紡ぎながらハーモニーを付けるシャゴ・エスクリバの男女ふたりが、欧州・中米までツアーした経験を持つブエノス・アイレス発のアインダ・デュオ。アルゼンチン・カトリック大学で出会ったふたりは、m-3"Zamba 'L Mar"やm-8"Tejiendo Sueño"に客演するピアノ奏者ギジェルモ・クレインのもとで音楽を学び、本作に収められている名カヴァーの数々が映像動画サイトで話題となり、アルバム・デヴューを果たしました。カエターノ・ヴェローゾやフリオ・イグレシアスなど各国語で歌われているデメトリウス・オルティス作のm-2"Recuerdos de Ypacarai"、シャンソン・スタンダードの名曲中の名曲シャルル・トレネ作m-5"Menilmontant"、ウルグアイ音楽の伝説エドゥアルド・マテオ作m-6"Jacinta、児童文学から作曲までマルチな才能を発揮したマリア・エレナ・ワルシュ作m-9"Cancion de Bañar La Luna"、ジャニス・ジョップリン作m-10"Mercedes Benz"まで、国境やカテゴリーを飛び越えた興味深いレパートリー。これを瑞々しい川沿い音楽/フォルクローレという自らのスタイルに引き寄せて演じるのですが、まさにつづれおりという言葉がしっくり来そうな程に、親密、繊細なタッチで丁寧に織り上げられたハーモニーは、実に清涼で爽快な心地よさをもたらしてくれます。
AINDA DÚO / SEGUNDO [2015] (アルゼンチン直輸入盤 2,315円+税)
名カヴァーを多く収めた前作「UNO」の成功を受けて制作されたブエノス・アイレスの男女デュオのセカンド・アルバム。ウクレレ弾き唄い+ギター爪引きハーモニーという親密なスタイルに加えて今作では管弦を携えた室内楽オーケストラが参加。彼らの音楽の師匠でもあるギジェルモ・クレイン作の"Llorando fuerte"を採り上げている他は、自作の割合が増え浮遊感のあるコンテンポラリー・フォルクローレから、ハイブリッド・ポップまで振れ幅のスケールが拡大しています。インディペンデントなS.S.W.のルシオ・マンテルが"m-6"Llorando Fuerte"にg, vo で参加、ベース奏者ファビアン・マルティンとデュオ傑作を発表しているペドロ・ロッシが7弦gで最終曲"Para Viajar"に参加しています。
ルス・デ・アグアにルーカス・ニコティアン(プエンテ・セレステ)とのWピアノ作品、コンテンポラリー・フォルクローレの世界でその音色の醸し出す世界観を愛されるセバスティアン・マッキがソロ・ピアノのアルバムをリリース。国内盤で登場。
SEBASTIÁN MACCHI / PIANO SOLITO (インパートメント社 2,400円+税)
失われつつある故郷パラナーの自然を思い、大地の声に耳をすませ、自己と対話するようにゆっくりと作られたピアノ独奏曲の数々は、ランプの灯火のように心を暖め、しずくのように波紋をひろげていきます。(メーカー資料より)
8曲のオリジナル・コンポーズに、m-3"Canten seõres cantores"はトラッド、m-7"El arriero"はアタウアルパ・ユパンキ作、m-11"20 trajes verdes"はチャーリー・ガルシア作。2016年2月メンドーサの録音、ミックス・マスタリングは鍵盤奏者のエルナン・ハシントが担当。
- 2016.12.01 Thursday
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- 23:50
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- by 大洋レコード