文系ブラジル北東部のバンド、モンボジョーのフロントマンが摩訶不思議なソロ作を

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    *明日の2月22日は水曜で定休日となります。

     

    2000年代の半ば、ローファイな空気をまとった北東部出身のバンド、モンボジョーがデヴュー。強靭なマンギ・ビートを纏ったバンド勢がブラジルのロック・フェスを賑わす中、電子楽器を伴った脱力系ともいえるエクスペリメントな表現、ストレンジネスで唯一無比の存在感を放って来ました。昨年には彼らのルーツのひとつ、ステレオラブの仏人女性vo、レティシア・サディエールとブラジル・ツアーを行い、EPも共作。故郷のオリンダからサンパウロのヴィラ・マダレナに引っ越してきたモンボジョーのvo、フェリッピ・Sは自宅の一室にスタジオ設備を備え、この初となるソロ・アルバムの準備に掛かりました。

    FELIPE S / CABEÇA DE FELIPE (ブラジル直輸入盤CD 1,750円+税)

    30年前に美術作家である父親のマウリシオ・シウヴァが描いた「フェリッピのあたま」。幼児だったフェリッピがなにを考えているのかを想像しながら描かれた作品を初のソロ作CDのカヴァーに仕立て、この絵の通りの幻想宇宙を思わせる楽曲群を書き下ろしました。同郷の打楽器奏者オメロ・バジリオとのエクスペリ・サンバなアンサンブルや、同じく同郷でフランスと往来するサンビスタのホドリゴ・サミコと共作した一風変わったバランスが斬新なm-3"Santo Forte"、新世代ブラジル音楽の系譜で'60sソフト・ロック調のコーラス・ワークが耳をひくm-4"Da Capoeira Pro Samba"、ダブステップを取り入れたビートにポストロック以降の浮遊する音使い、レオ・カヴァルカンチがゲスト参加したm-5"Nova Bandeira"、アレッサンドラ・レアォンが参加したm-6"Vão"は、女性シンガー- イザドラ・メロのアルバムをプロデュースしたのも記憶に新しいジュリアーノ・オランダが作曲、S.S.W.シナやアルチュール・ジョリーら曲ごとに異なるミキサーを迎えているのも特徴的。シンセを使ったオリエント呪術のようにも聞こえるサイケデリアm-10"Tigre Palhaço"では、こどもが「アリガトゥ、アリガトゥ」と即興を。ブラジルなのだけれど、もしかしたらブラジルに似た別の見知らぬ国で奏でられているような、狐につままれたような不思議な気分へと連れていかれる一枚。

     


    ピアノとテノールの歌唱でセレナーデを、静かなるサンパウロ音楽

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      *明日の19日は第三日曜にて店休をいただきます。

      ここのところ、休みの日に事情で在宅を余儀なくされることが多いですので、神社仏閣にお参りにでも行こうかと考えております。男子42歳の大厄について調べましたところ、正月が来るたびにひとつ歳を重ねていくという"数え年”方式でカウントするそうですので、1月早生まれの私はまだ後厄にあたるようですね。芝大神宮か、川崎大師か...

       

      さて昨年の後半に入荷してきたタイトルで、ヘナート・ブラス(vo)やマリオ・ジル(g)、ホベルト・レァオン(vo)という音楽家たちとカテドラルな響きの落ち着いた作品「Mar Aberto」を発表しているのが、ピアノ奏者/コンポーザーのブレーノ・ルイス。このサンパウロ州郊外イタペチニンガ出身の音楽家は、テテ・エスピンドーラのバックのほか、イラナ・ヴォルコフやグラッサ・クーニャなどノーヴォス・コンポジトーレス界隈のシンガーに楽曲提供も行なっています。初のソロ作には、モニカ・サウマーゾやヘナート・ブラスら静かなブラジル音楽の先達もゲスト参加。おごそかなセレナーデのムードでインディオや移民によって積み上げられたブラジル・ルーツ・リズムを昇華するという、慈愛を感じさせる唄声同様に深みのある内容。

      BRENO RUIZ / CANTILENAS BRASILEIRAS(ブラジル直輸入盤 2,083円+税)

      両親が離別してしまっており、病気の母親の介護をしながらでもできる仕事を、と手に覚えのあるピアノでバー演奏、ジングルなど広告音楽の制作をして食い繫いだ10代後半、その後近くに住んでいたハファエル・アルテーリオに見出されて表舞台へと登壇するように。なるほど、初のソロとなる本作ではギターにペドロ・アルテーリオ(シンコ・ア・セコ)、ドラムはガブリエル・アルテーリオと、アルテーリオ家総出で参加、ベースはネイマール・ヂアスとイゴール・ピメンタが務めています。全曲の歌詞はサンバ作家として長年に渡って活躍する大御所のパウロ・セーザル・ピニェイロが担い、モニカ・サウマーゾが参加したm-4"Chiro Bordado"など、自然音や自然由来の打楽器のざわっとした音色と現代的なヴォイシングのピアノとの絶妙なマッチングに一役買っています。室内舞踏音楽となっているm-5"Dança de mucama"のようなピアノと声だけのトラックから、ナザレーのようにクラシカルなハーモニーとブラジル由来のリズムが溶け合ったm-7"Donana"、神秘的なピアノ弾き語りとヘナート・ブラスの鳥笛が混じり合うm-8"Caçada de Onça"から、ヘナート・ブラスが唄うm-9"Modinha Triste"やm-11"Viola do Bem Querer"など、どれもメランコリアとヘリテージ、そして刷新が入り混じった味わい深さを誇ります。


      アーバンAOR道を貫くサンパウロのS.S.W./マルチ奏者 アレシャンドリ・グルーヴィス

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        amanhã eu não vou trabalhar ---「明日はもう働かない」、衝撃的かつ、ある意味ブラジルらしいアルバム・タイトルでデビューを飾ったサンパウロのS.S.W.アレシャンドリ・グルーヴィス。現地を中心に数々の賞や年間ベストへのノミネイトを得るなど高い評価を得た作品は、輸入盤の流通がひと段落した頃、国内盤化もされたと記憶しています。ジンボ・トリオの主宰で、デボラ&ダニ・グルジェル母子や、ト・ブランジリオーニも通ったことで知られる音楽塾 CLAM に7歳から通い、打楽器からギター、ピアノ、歌唱、コンポーズを身につけたという多才なマルチ・プレイヤー。ソロ1st「明日は〜」以前に、アーバンなサンバ・ソウルを奏でるグループ - グルーヴェリアに在籍、そちらのアルバム「grooveria #1」もブラジリアン・グルーヴ愛好家のみなさんに多く買っていただきました。このグループ自体は、アレシャンドリがソロ活動のために離脱をし、ドラム奏者であるトゥト・フェハスが率いる形でライヴ盤「Avenida Brasil」をDVDと共に発表。トゥトは近年ではファンキー・ジャズ・マシーンなるプロジェクトを起動、ベースにシヂエル・ヴィエイラ(DDG4)を迎えてアルバムを製作したりもしています。さてそのアレシャンドリが10年ぶりとなる待望のソロ・アルバムを発表しました。

         

        ブラック・コンテンポラリーとサンバ・ソウルを根底に、生演奏の熱量と電子楽器のハイブリッド・サウンドと鮮やかなメロディ・センスと爽快さを覚えるマイルドな唄声で現代の都会的な感覚へとアジャスト。そこはかとなく流れるAORフレイヴァー、これはサンパウロ版のシティ・ポップ。

        ALEXANDRE GROOVES / MULTI(ブラジル直輸入盤CD 1,954円+税)

        ウクレレの弾き語りで始めて、以降フル・バンドと多重コーラスをすべてひとりで賄ってしまうm-8"O que seria das flores"や、ロック・バンド、パララマス・ド・スセッソのヒット"Ska"(パト・フもmusica de brinquedoでカヴァーしてました)をソウルフルなスタイルへと編曲したm-5など新機軸を盛り込みながらも、トゥト・フェハスがdrsを叩いたm-1"É tudo gente"や、m-2"Sou louco por ela"、ドゥヂーニャ・リマ(b)、マルセロ・マイタ(ep) に管楽器が参加したm-3"Cancela" ...かつて同じ釜の飯を食ったグルーヴェリアのメンバーたちとの邂逅では、アーバンなサンバ・ソウル/サンバ・ホッキのグルーヴの一角を担うべく打楽器を叩きながら唄うという、バンド内で担っていた役割に回帰をしたりもしつつ、m-6"Pra viver só com você"ではピアノ奏者ぺぺ・シスネロスやネイマース・ヂアス(b)らの弦楽に身を委ねたりもする、暖かな風が吹き抜ける日に相応しく爽快な心地よさを覚える作品。



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