フュージョニックなA.ロックとジャズの狭間で- ブラジルの名プレイヤーも参加したチャンチョ鍵盤奏者のソロ

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    プログレッシヴなフォルクローレ・バンドとして躍進して来たアンサンブル・チャンチョ・ア・クエルダ。10年を数えるキャリアで、叙情のモードから技術に裏付けされた攻めの姿勢まで、音楽シーンに高い評価で受け容れられて来たグループの鍵盤奏者ナウエル・カルフィが、初のソロを発表しました。L.A.スピネッタ、チャーリー・ガルシア、フィト・パエス、リト・ネビア...ジャズのヴォイシングやフォルクローレのリズムを取り入れたアルゼンチン・ロックの系譜を継ぐメロウな一枚となっています。ブラジルからベンジャミン・タウブキン(p)、ナー・オゼッチ(vo)、ウルグアイからレオ・マスリアー(p)をスペシャル・ゲストに迎えて。

    nahuel carfi / pianos (アルゼンチン直輸入盤CD 2,417円+税)

    コンテンポラリー・ジャズのピアノ奏者としてブラジル内外で実績を認められるベンジャミン・タウブキンを迎えた冒頭"Ay Amor"から、知的好奇心をくすぐるようにアカデミックに躍動しています。生ピアノをタウブキンに任せ、ローズを弾き唄うナウエル・カルフィ。自身とこの10年苦楽を共にして来たチャンチョ・ア・クエルダが丸々参加したm-3"a.l.a.s."は弦楽をフィーチャーし、斬新な現代的オーケストレーションを見せます。知性派ブラジル音楽を代表する声、ナー・オゼッチの歌伴を務めるm-4"Si"の後は再びタウブキンが登場して、瑞々しく芳醇なハーモニーが秀逸なm-5"la bella"へと。ヴォーカリストとしての気負いのなさ、ナチュラルなナウエルの唄は時にダブル・トラックなども駆使し、自然とアンサンブルと溶け込んでいるのも好印象を与えてくれます。ミルトン・ナシメントも唄った"Guadanapos de papel"の作者としても知られるウルグアイのマルチ・アーチスト、レオ・マスリアーの"puesta de sol a las seis de la mañana"を採り上げたm-6では、作者レオ・マスリアー本人とダブル・ピアノで対峙してインストゥルメンタルで表現。うたものが7曲にインストが2曲、アントニオ・ロウレイロやハファエル・マルチーニの新世代ミナス音楽、同じアルゼンチンのエルナン・ハシントの多才ぶり、これらに比肩する作品となっています。

     

     

     


    ルス・デ・アグアのピアノ奏者セバスティアン・マッキのソロ作 + 私は今月これを売りたい、アインダ・デュオの1st

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      *12/3 セバスティアン・マッキの「Piano Solito」、試聴リンクを追加しました。

       

      昨晩は国際交流基金のプロジェクト、Olha Pro Céu - Rio de Janeiro to Tokyo 第二夜に参じてまいりました。サンパウロのラッパー、エミシーダのパフォーマンス。私は初めてみたのですが、dj + per. + g + mc/vo という編成でトラックと生楽器のグルーヴを混ぜながら、低く響く良い地声のエミシーダによるラップは歌やバックのメンツとのコーラスも交えて、とても見応えのあるショーでした。アニメやゲームからのサンプリングを入れ込んで来たりも。日曜に弊店のイベントへご出演いただくサイゲンジも、自身のオリジナル・コンポーズを中心としたバンド・セットで、当日にかける意気込みを物凄く感じたナイス・ステージでした。日曜は生ギター一本でまた違った顔をみせてくれるのでは、と益々楽しみになってきました。ぜひ今週末のスケジューリングをお願いします。大洋レコードのテラスで14時から16時です。

      写真はエミシーダの傑作「O Glorioso Retorno de Quem Nunca Esteve Aqui」に終演後サインをいただいたもの。現在店頭にてCDは売り切れてますが、同タイトルのアナログLPが一枚のみ在庫ございます(6,700円)。ご所望の方はメッセージください。

       

      さて弊店のお客様のなかには、弊社レーベルのリリース・アーチストであるトミ・レブレロが2年連続で京都音博にてお世話になりましたロック・バンド、くるりが表紙となっているミュージック・マガジン10月号をご覧になられた方も多いかと思います。かくいう私も、お客様がこの雑誌をお持ちになり、弊店の陳列棚を真剣にご覧になっているのをみて慌てて家内に買いに走ってもらったくちではあるのですが、このミュージック・マガジン10月号では、特集が「アルゼンチン音楽の現在」となっておりまして、アルゼンチンに滞在されていた宮本剛史さんと「アルゼンチン音楽手帖」を執筆されている栗本斉さんがディスク・レビューを行なっています。そこでトップに持ってこられているのが、男女デュオのアインダ・デュオ「Segundo」。ピアノ奏者ギジェルモ・クレインに師事を受け、アルゼンチンのみならずウルグアイ、スペイン、ポルトガル、フランス、スイス、ドイツ、イギリス、メキシコと世界をツアーして廻る実績を打ち立てている若きミュージシャンです。と或る日にSNSで、これも弊社でリリースしているS.S.W.のフリアン・モウリンが「友人のアインダ・デュオが大きな会場でやるよ」ということで動画を紹介していたのですが、これが川沿い音楽の瑞々しさと芳しい華やかさを併せ持った鮮烈な表現として私のハートに飛び込んでまいりました。この時にみた映像の"Tejiendo Sueño"はアインダ・デュオの「Uno」に収録、彼らのこの1stアルバムは、恐らく日本初入荷となります。というわけで長くなりましたが、私が今月売りたいのはこのタイトル。

      AINDA DÚO / UNO [2013] (アルゼンチン直輸入盤 2,398円+税)

      ウクレレを弾き唄うエスメラルダ・エスカランテと、優しい音色でギターを紡ぎながらハーモニーを付けるシャゴ・エスクリバの男女ふたりが、欧州・中米までツアーした経験を持つブエノス・アイレス発のアインダ・デュオ。アルゼンチン・カトリック大学で出会ったふたりは、m-3"Zamba 'L Mar"やm-8"Tejiendo Sueño"に客演するピアノ奏者ギジェルモ・クレインのもとで音楽を学び、本作に収められている名カヴァーの数々が映像動画サイトで話題となり、アルバム・デヴューを果たしました。カエターノ・ヴェローゾやフリオ・イグレシアスなど各国語で歌われているデメトリウス・オルティス作のm-2"Recuerdos de Ypacarai"、シャンソン・スタンダードの名曲中の名曲シャルル・トレネ作m-5"Menilmontant"、ウルグアイ音楽の伝説エドゥアルド・マテオ作m-6"Jacinta、児童文学から作曲までマルチな才能を発揮したマリア・エレナ・ワルシュ作m-9"Cancion de Bañar La Luna"、ジャニス・ジョップリン作m-10"Mercedes Benz"まで、国境やカテゴリーを飛び越えた興味深いレパートリー。これを瑞々しい川沿い音楽/フォルクローレという自らのスタイルに引き寄せて演じるのですが、まさにつづれおりという言葉がしっくり来そうな程に、親密、繊細なタッチで丁寧に織り上げられたハーモニーは、実に清涼で爽快な心地よさをもたらしてくれます。

       

      AINDA DÚO / SEGUNDO [2015] (アルゼンチン直輸入盤 2,315円+税)

      名カヴァーを多く収めた前作「UNO」の成功を受けて制作されたブエノス・アイレスの男女デュオのセカンド・アルバム。ウクレレ弾き唄い+ギター爪引きハーモニーという親密なスタイルに加えて今作では管弦を携えた室内楽オーケストラが参加。彼らの音楽の師匠でもあるギジェルモ・クレイン作の"Llorando fuerte"を採り上げている他は、自作の割合が増え浮遊感のあるコンテンポラリー・フォルクローレから、ハイブリッド・ポップまで振れ幅のスケールが拡大しています。インディペンデントなS.S.W.のルシオ・マンテルが"m-6"Llorando Fuerte"にg, vo で参加、ベース奏者ファビアン・マルティンとデュオ傑作を発表しているペドロ・ロッシが7弦gで最終曲"Para Viajar"に参加しています。

       

      ルス・デ・アグアにルーカス・ニコティアン(プエンテ・セレステ)とのWピアノ作品、コンテンポラリー・フォルクローレの世界でその音色の醸し出す世界観を愛されるセバスティアン・マッキがソロ・ピアノのアルバムをリリース。国内盤で登場。

      SEBASTIÁN MACCHI / PIANO SOLITO (インパートメント社 2,400円+税)

      失われつつある故郷パラナーの自然を思い、大地の声に耳をすませ、自己と対話するようにゆっくりと作られたピアノ独奏曲の数々は、ランプの灯火のように心を暖め、しずくのように波紋をひろげていきます。(メーカー資料より)

      8曲のオリジナル・コンポーズに、m-3"Canten seõres cantores"はトラッド、m-7"El arriero"はアタウアルパ・ユパンキ作、m-11"20 trajes verdes"はチャーリー・ガルシア作。2016年2月メンドーサの録音、ミックス・マスタリングは鍵盤奏者のエルナン・ハシントが担当。


      アルゼンチン再入荷案内+フアン・キンテーロ&ルナ・モンティのデュオにモノ・フォンタナが

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        お待たせをいたしました。本日アルゼンチンからの仕入れ貨物が到着しまして、

         

        前回入荷早々に売り切れてしまった女性S.S.W.フロレンシア・オテロの新作。ジャズ・ピアノ奏者パウラ・ショクロンと共作、90's後期を彷彿とさせるサウンドでルイス・アルベルト・スピネッタにオマージュを捧げたアルバム。

        FLOR OTERO / El juego verdadero

         

        バンドネオン+フルート+ドラムという変則編成でインプロヴァイズされたインスト音楽を奏でる

        CHICHE TRIO [Sergio Verdinelli, Martin Sued, Juan Pablo Di Leone]

         

        日本のお茶の間にも唄声が届いたメリーナ・モギレフスキーの清涼な1st、これはお客様からのリクエストが多い作品です

        MELINA MOGUILEVSKY / Arbola

         

        表紙は活版印刷、コラージュの施されたブックレットにリボンがけ。これからの季節贈り物にも最適なマリーア・ピエンの「Malinalli」、まさかの初回豪華エディションのまま再入荷。マリーアのフォーキーな1stも

        MARÍA PIEN / Malinalli

         

        MARÍA PIEN / La vuelta manzana

         

        川沿い音楽のグループ、ビーチョ・フェオ・トリオから最後にソロを発表したマティアス・ケケス・ロペス。ミニマルでハイブリッド・フォーキーな世界観

        MATIAS KEKES LOPEZ / BIEN

         

        一本の7弦ギターであらゆる情報を描ききってしまうS.S.W.ティンチョ・アコスタ。今回入荷分のロットがCDジャケの角に潰れがあるため、若干お値引き致します。

        TINCHO ACOSTA

         

        コルドバの音楽家ミンギ・インガラモがオーケストラを従えた、パンパ(大平原)のように壮大なインスト作品

        MINGUI INGARAMO / EL VIENTO EL TIEMPO

         

        川沿いの音楽としてはこの人たちも忘れてはなりません。アナ・アルチェッティ(vo,p) が弟(b)と旦那さんでアカ・セカ・トリオのメンバーでもあるマリアノ・ティキ・カンテーロと組んでいるトリオ・ファミリア。ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテートとも楽器を貸し借りするなど親交が深いそうですよ。

        TRIO FAMILIA

         

        前回、久々に入ってきたと思ったらすぐに売り切れてしまい、「知っている人は探しているんだ」ということを再認識させてくれた、アカ・セカ・トリオのvo,g フアン・キンテーロと奥さんルナ・モンティのデュオ初作。長らく絶版となっていたCDです

        JUAN QUINTERO y LUNA MONTI / El Matecito de las siete

         

        そして本日の新譜はこちらの夫婦デュオの新作。

         

        2014年に66歳で逝去されたフォルクローレのレジェンド、ラウル・カルノータに贈るオマージュ。前作「Despues de ustes」でラウル・カルノータのレパートリー"Mba epa doña froilana"を採りあげている、フアン・キンテーロ(vo,g アカ・セカ・トリオ)とルナ・モンティ(vo,per) の夫婦デュオ。彼らの清涼感あふれるコンテンポラリー・フォルクローレの解釈に加えて、宇宙観的な音使いで多くのファンを持つ鍵盤奏者モノ・フォンタナ、ペドロ・アスナールのグループでも活躍する打楽器奏者ファクンド・ゲバラが参加したライヴ実況録音盤。

        LUNA MONTI, JUAN QUINTERO, MONO FONTANA, FACUNDO GUEVARA / SOLO LUZ - HOMENAJE A RAÚL CARNOTA(アルゼンチン直輸入盤 2,157円+税)

        静かに深い泉から湧き上がるように始まる"Solo Luz"、唄いながらウドゥを叩いたり、フアン・キンテーロの早いパッセージがアクセントになっていたり、そしてモノ・フォンタナのシンセからFXトーンが奏でられたり、サ(za)ンバなどのリズムを基盤としたフォルクローレ色濃厚なナンバーでも、咀嚼し、新たな色付けを試みたことがよく伝わってきます。日本のリスナーに好まれそうなのは、瑞々しさと広がりを感じられるm-4"Como la luz"や、夫婦ならではのユニゾン・ハーモニーと観衆のクラップによるチャカレーラの光景が眼に浮かぶようなm-5"La sixto violin"、フアンの卓越したギター弾き語りでミロンガをソロ・パフォーマンスするm-6"Memoria Adentro"といった中盤のパフォーマンス。フアン・パブロ・ディ・レオーネとモノ・イサルアルデ、ふたりのフルート奏者が参加したフォルクローレ・フュージョンのm-8"La aclaradora"では、即興的な管の演奏に呼応するようにモノ・フォンタナのアグレッシヴなプレイが聴けます。ラウル・カルノータがテレーザ・パロディと共作した地中海風情のm-9"Na Poli"、ピアノ独奏ではじまるコンテンポラリー・ジャズ・タッチの優しい鎮魂歌m-16"Aurtxoa Seaskan"まで、アルゼンチン音楽の歴史に刻まれるであろう、充実した内容を誇る作品。

         

         



        PR

        大洋レコードは東京・神楽坂のセレクトCDショップです。

        ブラジル・アルゼンチンの現在のインディペンデントなシーンからの輸入盤CDを中心にお取り扱い。

        東京都新宿区矢来町139 東京メトロ東西線神楽坂駅2番出口すぐ。


        WEB通販はオフィシャル・サイト taiyorecord.com にて



        [イベントのお知らせ]

        IMONI no Balcão

        (邦題:芋煮のバルコニー)

        2016年12月4日(日)

        14:00 - 16:00


        Nemaru Cafeの温まる家庭料理と、酒類卸ひのやからアルゼンチン・ワインを取り寄せて、久々に大洋レコード・テラスでのイベントを催します。


        UNPLUGGED GIGs : ryosuke itoh e shiho


        and..Special Guest GIG : Saigenji


        入場はフリーですが、ドリンク/フード/投げ銭/CD、いずれかのご購入をお願いします。

        詳細は →

        [お知らせ・その2] 大洋レコード店主夫妻で ryosuke itoh e shiho (vo,g / flute,vo) として音源制作やライヴ活動を行っています。最新作は原田知世さん初期3曲のカヴァーと日本語歌詞のボサノヴァ・カヴァー - 8cmCDREP 「Ilha mais próxima para o céu」→ お問い合わせその他メールにて

        * 店舗営業日カレンダー

        い字の日がお休みです。毎水曜・第一第三日曜・連休最終日店休

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