新世代ブラジル音楽の担い手達が紡ぎ出すミニマムなアンビエンスと共に、ゆったりとクルーナーを響かせる61歳ボサノヴィスタのデヴュー盤

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    *明日の23日は水曜日で定休となります。

     

    今回入ってきたなか、うたものでオススメしたいのがこのアルバム。

    バイーアはジュアゼイロ出身61歳の新人ボサノヴィスタが、ブラジル音楽賞2017(Prêmio da Música Brasileira 2017)受賞者ゼー・マノエウや、姉トゥリッパのアルバムのプロデュースでラテン・グラミーを受賞しているグスタヴォ・ルイスら、新世代ブラジル音楽の担い手達が紡ぎ出すミニマムなアンビエンスと共に、ゆったりと自然体のクルーナーを響かせる、まさに2017年のボサ・ノヴァ作品。ゼー・ペドロ率いるジョイア・モデルナのロースターで、プロデュースは幻想的なチェンバー・ポップ・デュオ - ドイス・エン・ウンのルイザォン・ペレイラ、タタウの弟だそうです。

    ANTONIO CARLOS TATAU / A LIDA DOS ANOS (ブラジル直輸入盤CD 1,815円+税)

    m-2"Canção pra João"=ジョアンに捧げる唄とあるのは、自身が生まれた頃に発明されたボサ・ノヴァの創始者、同郷のジョアン・ジルベルトと80年代に知り合う機会に恵まれ、親交を温めたから。70年代には故郷ジュアゼイロにて公演を行ったカエターノ・ヴェローゾのバックをグループで務めたり、自作楽曲がバイーア出身のサンバ歌手のレコードに収録されたこともあります。この遅れてきた新人は、ガットギターと唄のボサ・ノヴァ・マナーでコンポージングの基盤を固めているのですが、冒頭"As Vezes"からシーンで注目を集めるゼー・マノエウのコンテンポラリーなヴォイシングのピアノと、幾何学的ノイズが背景を染めあげ、続く"Canção pra João"では弦楽四重奏がヨーロッパ映画のサントラのような甘酸っぱい風景を描きだし、"Para os que se amam"ではグスタヴォ・ルイスのegやヘフナー・ベースの音色の凹凸にクルーナー・ヴォイスがゲンズブールを彷彿とさせるという、唯ならぬ世界観を展開。ドイス・エン・ウンのフェルナンダ・モンテイロ(cello)が参加した"Um bolero a mais"はMPBの歌曲諸作で知られるホナウド・バストスとの共作。打楽器のミニマムな使い方に現代のブラジル音楽の指向性が感じられるm-8"Tudo"やメランコリーなm-9"Caminhos"など、ボサ・ノヴァのゆったりとしたタイム感を保ちながら、現代的な音楽エッセンスを幾つも封じ込め、詩的でロマンティックな風景を描き出しています。


    カエターノとヴィズニキがダンス・カンパニーの為に書いた「Onqotô」CD再発!

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      *明日の20日は第三日曜で店休をいただきます。

       

      確か流通し始めたのが弊店の開業間もない2006年だったと記憶していますが、世界的に名の知られたダンス・カンパニーであるグルーポ・コルポのために、カエターノ・ヴェローゾとゼー・ミゲル・ヴィズニキの共作で書き下ろしたダンス演劇のサウンドトラックが「onqotô」。哲学を感じさせる内容の良さに当時取引のあったブラジルの業者に再発注を掛けたところ、その後の10年、二度と入ってくることはありませんでした。それもそのはず、調べると初回5000枚限定をこの演目の上演中期間のみ販売した、とあります。広大な宇宙の父性について言及した壮大なスペクタクルに相応しく、このブラジル音楽を代表するふたりのアーチストが描き出す楽曲は、アフロ・ブラジルのルーツ・リズムや北東部のピファーノを取り入れてアレー・シケイラが編曲、前衛的に表現したインストゥルメンタルから、のちにガル・コスタ、ジュサーラ・シルヴェイラらにカヴァーされる歌曲"Madre Deus" 、のちにヴィズニキの自作やマリア・ベターニアにも取り上げられる"Mortal Loucura"にはカルリーニョス・ブラウンがゲスト参加、ビートボックスとパーカッションを交えヒップホップの手法を用いた"Big Bang Bang"や"Onqotô"、女性voグレイシ・カルヴァーリョをフィーチャーした"Tão Pequeno"、タンボリンのミニマムなビートと流麗なピアノが絡み合う"Pesar do Mundo" など、アーティスティックなブラジル音楽の金字塔とも呼べる名盤が再度流通を開始。

      CAETANO VELOSO e JOSÉ MIGUEL WISNIK /  ONQOTÔ -trilha sonora original : grupo corpo-  (ブラジル直輸入盤CD 2,278円+税)


      心洗われる待望のミナスもの2Wが入荷!

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        今日ご紹介するのは、制作中の動画などを観ていて「これは!」と思ったものの、ブラジル本国でデジタル配信が開始する一方で、CD商品に関してはなかなか取引が進捗せず、紆余曲折を経てこの度やっと届いたという思い入れの篭った作品になります。ここまでは勝手な仕入れ業者のつぶやきに過ぎませんが、プリミティヴとメランコリーの詰まった音楽作品であることに変わりはなく、手の込んだ装丁を見るにつけ仕入れることができて良かったという喜びを感じる、そんな二枚となります。

         

        ミナス・ジェライスはベロ・オリゾンチ在住、UFMG出身の女性S.S.W./フルート奏者/ギター弾きのイレーニ・ベルタキーニはアナというコーラス・グループやウルクン・ナ・カラというバンドなど数々のプロジェクトに参加し、いま注目を浴びるムジカ・ミネイラのシーン渦中にある存在。一方レアンドロ・セーザルは手作り楽器なども盛り込んだ摩訶不思議なアンサンブルで知られるグルーポ・ウアクチの一画をなした、音階のついた打楽器(マリンバ類)を得意とするマルチ・プレイヤー。ブラジル、メキシコ、ウルグアイ、スペイン、ポルトガルと世界各地のジャズ・フェス等に参加する経験を持ち、共に創作活動を始めて9年となるデュオは満を時してポルトガルはセルパでベーシックの録音に入りました。アンサンブルの中核を為すのは、木々に宿る精霊の木霊のようにも聴こえるイレーニの歌声、生ギターやマリンバを手に澄んだハーモニーを導き出すレアンドロの編曲術。そしてリスボン在住のベラルーシ人ピアノ奏者カテリーナ・ルドコヴァとジョアン・フラゴゾ(b)らが核となり、チェンバー・アコースティックなサウンドで彩ります。同郷の盟友であるデボラ・ムッスリーニやブリザ・マルケス、セーザル・ラセルダ、ルイス・ガブリエル・ロペス、リヴィア・ヒベイロらとのコラボレイションで紡ぎあげた瑞々しく神秘性を潜めた美しい唄たち。ジョアナ・ケイロス(cl)が参加するほか、リオにてチアゴ・アムヂ作の楽曲を本人のゲスト参加を仰ぎつつ追加録音。アルゼンチンの音楽家ディエゴ・コルテスがフルートで参加、イレーニのスキャットと爽快に舞い跳ねるm-10"Tacacá com Dendê"など驚きを覚えます。赤い糸で綴じられたブックレット、緑の割れたお椀を包む赤い封筒、大事に紡がれたことが伝わる至極のアコースティック・ミュージックに心洗われます。

        IRENE BERTACHINI E LEANDRO CÉSAR / revoada (ブラジル直輸入盤CD 1,750円+税)

         

        "Tacacá com Dendê" on GLOBO PLAY 

         

         

        ブラジルのミナス音楽というとクルビ・ダ・エスキーナの頃から、ビートルズ直系のこれこそポピュラーという人懐っこいハーモニーと、一方でジャズや現代音楽にも通じる既成概念を逸脱した実験的なハーモニーやリズムを併せ持ってきたわけですが、元ウアクチの打楽器奏者レアンドロ・セーザルのソロ作は後者の方向性を突き詰めるべく、タイトル通りにマリンバとブラジルのリズムを融合させた作品。ここでは師であるウアクチのマルコ・アントーニオ・ギマランイスによって考案された木製のマリンバ・ヂ・ヴィドロをレアンドロがプレイ、幻想的な雰囲気を醸しだすガラス製のマリンバ・ヂ・ポルセラナートを楽曲提供もおこなうジョゼ・エンリケとユリ・ヴェラスコが、そしてm-2"Floreio"などでは主旋律を担うチェロをフェリーピ・ジョゼ(同じく楽曲も提供)が担当。レアンドロ考案の創作楽器をも用いて、アフリカから伝来した楽器であるマリンバのブラジル内での前衛的発展をアーティスティックに体現したのが本作。m-5"Tão Perto, Tão Distante"ではデュオ名義で作品を発表しているイレーニ・ベルタキーニ(vo)がゲスト参加するほか、m-9"Quatro Anjos"にはフルートでアレシャンドレ・アンドレスが参加。木製板面に焼印状にプリントされたものを綴った特殊パッケージ。

        LEANDRO CÉSAR / MARIMBAIA (ブラジル直輸入盤CD木製特殊パッケージ  2,750円+税)

        昇降盤に手押しガンナ、もはや職人仕様の大工道具で楽器を創作してます。↓



        大洋レコードは東京・神楽坂のセレクトCDショップです。

        ブラジル・アルゼンチンの現在のインディペンデントなシーンからの輸入盤CDを中心にお取り扱い。

        東京都新宿区矢来町139 東京メトロ東西線神楽坂駅2番出口すぐ。


        WEB通販はオフィシャル・サイト taiyorecord.com にて



        [イベントのお知らせ]


        「大洋レコード12周年企画 フリアン・モウリン”と”ジャパン・ツアー 2017」無事終了しました。お越しいただいた皆様、誠にありがとうございます。

        [国内盤リリースのご案内]


        JULIAN MOURIN, SOFIA URRUTI - CANCIONES KALIMBA (TAIYO0030 2017.6.11 release)



        ryosuke itoh e shiho - minha estrada (TAIYO0031 2017.6.24 release)


        好評販売中!


        [web記事掲載のご案内]

        ひとまちっくす神楽坂「南米音楽と横浜ベイスターズと私。大洋レコードの伊藤亮介さん。」


        * 店舗営業日カレンダー

        い字の日がお休みです。毎水曜・第一第三日曜定休。8/11~16夏季休業。

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